メタボリックシンドロームと健診・保健指導Part2

2007年4月23日

 平成20年4月の「特定健診・特定保健指導」施行まであと1年となった。2007年3月26日「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」(案)が決定した。

 基本的な健診項目については(1)質問票(服薬歴、喫煙歴等)(2)身体測定(身長、体重、BMI、腹囲)(3)理学的検査(身体診察)(4)血圧測定(5)血液検査(脂質、血糖、肝機能)(6)検尿を必須項目としている。

 血液検査の必須項目は2006年6月19日の「標準的な健診・保健指導プログラム(暫定版)」(案)では血液検査が10項目であったが尿酸、クレアチニンがはずれ空腹時血糖又はHbA1cのどちらかとなっている。中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、GOT、GPT、γ―GTPはそのままで、検尿(蛋白、糖)が復活した。

 暫定版から大きく変更した「保健指導対象者の選定と階層化」についてはステップ1~4までの4段階はそのままであるが、選定方法を変更している。

 確定版のステップ1では内臓脂肪蓄積に着目(腹囲が男性85cm、女性90cm以上)してリスクを判定、ステップ2では健診結果や喫煙歴の有無などの検診結果を当てはめ、ステップ3では「情報提供レベル」「動機づけ支援レベル」「積極的支援レベル」の3階層を決定、ステップ4では運動習慣に関する問診票を用いて支援レベルを決定している。

 「動機づけ支援」は20分以上の個別支援または8人以下の1グループで80分以上のグループ支援を行い、個人の行動計画等を決定する。6ヶ月後の評価は電話やメールで行うことも可能としている。

 「積極的支援」は動機づけ支援と同様の面接から開始し、3ヶ月以上の支援を行う。支援に要する時間や内容にポイント制を導入し、180ポイント以上で完了する。動機づけ支援と積極的支援の対象者は合わせて1400万人とになる。

 メタボリック教室の第12段「健康寿命とメタボリックシンドローム」は地味なタイトルだったが、根強い人気がある。

 「人はこの世を苦海と呼ぶ。この世は苦海でも、楽海でもなく、大海だ。嬉しいときは喜び、腹が立つときは怒り、悲しいときは泣き、楽しいときははしゃげばよい。言いたいことは言い、書きたいことは書けばよい。精一杯、生きていけばよい。と私は瞑想する。」は夜の3時に目が覚めて、A4用紙に一気に走り書きしたものだ。心の底から自然に沸きあがった言葉が、ある種の人達の胸を揺さぶっているのかもしれない。

 特定健診・特定保健指導が健康寿命の伸延に役立つことを願っている。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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