休養・温泉・読書とメタボリックシンドローム
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策には休養が必要だ。自然がいっぱいの温泉宿がいい。
温泉はリラックス効果と血液の循環をよくする効果がある。洗う、つかるという動作によって爽快感をもたらすだけでなく、直接皮膚や筋肉へ働きかけることによって、循環を高める。
循環が促進されると腎臓の排泄機能も促進される。温泉には発汗作用や、精神の鎮静作用もある。足浴、半身浴の部分浴も効果的だ。
2007年4月7日から山陰の三朝温泉に、84歳になる母を連れて行き、かけ流しの湯がある「三朝館」に宿泊した。宿の前は桜が満開で、橋を渡ると田山花袋や与謝野鉄幹、晶子らの石碑がある。著名人が三朝の湯に入りに来ている。
「妻をめとらば才たけて見目うるわしく情あり、友を選ばば書を読みて、六分(りくぶ)の侠気(きょうき)四分の熱。」と与謝野鉄幹は詠んでいる。
私には書を読む友が多い。先日亡くなった城山三郎の「官僚たちの夏」と "風車、風の吹くまで昼寝かな"の名ゼリフがある広田弘毅を描いた「落日燃ゆ」は、米国留学中に銀行員をしている友人が貸してくれて読んだ。
2007年4月2日、市役所の友人からメールが届いた。富谷至「韓非子」(中公新書)740円と阿辻哲次「近くて遠い中国語」(中公新書)740円が面白いと一読を勧めてきた。
さっそく梅田の紀伊國屋で購入した本を読んで、私が諸子百家の中でも韓非子に惹かれた謎が解けた。小学生時代に読んだ吉川英治の三国志に出てくる諸葛孔明は、韓非子を書写していた。諸葛孔明の考え方が、私の頭の中に刷り込まれていたのだろう。
故郷の広島県庄原市は山間部で、子供の頃、テレビはNHKしか受信できなかった。塾も行かず、参考書や問題集も買ったことはなかった。ファミコンやDVDもなかった時代だ。夜はNHKを見るか、父の書斎に並べてある本を読むぐらいだった。
書物を読まなくなっているという今の子供達の頭の中には、どんなことが刷り込まれているのだろう。物にあふれた現代と古典しかなかった昭和30年代と、どちらが精神的に豊かな社会だったのだろう。
毎日1時間散歩し、2日に1冊の本を読めば1ヶ月1万円で楽しい老後が送れそうだ。忙しい人こそ温泉宿でストレスを解消し、メタボリックシンドロームを予防して欲しい。