サミットとメタボリックシンドローム

2007年4月25日

 2007年4月23日来年のサミット会場が北海道の洞爺湖に決まった。美しい自然の中での開催は喜ばしいことだ。

 2005年10月12日第26回日本肥満学会の会長招宴がロイトン札幌ホテルで開かれた。北海道には肥満が多い。斉藤昌之北海道大学教授は会長挨拶で「北海道に肥満が多い原因は、冬の期間が長く暖房のある家の中にいて、外で活動できないからだ」と述べられた。

 北海道にはラーメン、ビール、ウニやイクラの海鮮丼と美味しいものが沢山ある。厚生労働省の国民栄養調査でも、北海道の人の摂食量は東北、北関東に次いで多い。運動不足とともに食べすぎも肥満の原因だろう。

 関西がサミット開催地に選ばれなかったのは、大阪が京都に譲らなかったことにもよる。京都には警護のできるホテルも自然もある。

 大阪には調停するフィクサーがいない。大物政治家は参謀と選挙民が育てる。山口、広島、岡山では大物政治家が育つのに、大阪では育ちにくい。育てようとせず、知名度だけで選んだりするからかもしれない。

 全ての政治家(人)には善と悪の両面がある。大物政治家になる資質がある人物を見抜き、善の面を伸ばすのが参謀と選挙民の役目だ。

 宮崎が前回サミットを誘致できなかった要因の1つは、宮崎空港にもう一本滑走路を造れなかったことにある。サミットの意味は頂上会談で、各国同じように見えるが実体は米国中心だ。開催地は天ではなく米国が決める。米国がノーと言えば決まらない。

 米国大統領が緊急の時いつでも帰国できるよう、常に大統領専用機をおいておける滑走路が必要だ。宮崎県に滑走路をもう一本造ることができる資金の余裕があったら、サミット開催地に選ばれていたかもしれない。

 大阪の地盤沈下は著しい。武田薬品が大阪から関東に移ることは、大阪にとって大きな損失だ。歴史と文化がない企業には創薬はできない。一流大学の優秀な学生を集めた企業が、新しい薬を創れなかったことからも明らかだ。

 年間5000億円の経常利益がでている会社に、200億円出しても引き止められない。大阪に引き止めるため、創薬に協力するなどいい知恵はなかったのだろうか。

 大阪がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)研究のメッカとなって、メタボリックサミットが大阪国際会議場で開かれることを期待する。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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