映画の未来とメタボリックシンドローム

2007年11月 6日
 2007年10月27日南カリフォルニア大学(USC)同窓会のカンファレンスで、「エンターテインメントの未来」の講演があった。

 ワーナー・ブラザース映画会社社長に代わり、米国からディレクターが来て講演した。「エデンの東」「ダーティーハリー」から「スーパーマン」「チャーリーとチョコレート工場」まで映像でつづる。映画も、テレビドラマも、DVDも全米1位だという。

 ワーナー・ブラザース社はカリフォルニア州バーバンク市にあり、2年間毎週スーパーマーケットに買い物に行っていた。USCの映画学部は全米1位で、映画監督の半数はUSC出身者だ。USC出身のジョージ・ルーカスが多額の寄付をし、スター・ウォーズがヒットする毎に、USCキャンパスに建物が1つ増えるという。スター・ウォーズは黒澤明監督の「隠し砦の三悪人(1958年)」を取り入れている。

 「日本でハリー・ポッターは、映画よりWOWOWなどテレビで初めて観ている人が多い。将来は(1)テレビ、(2)パソコン、(3)携帯電話、で映画を観るようになるだろう」と話される。

 「5年後には映画はどうなっているんですか?」という鋭い質問が飛んだ。「ウーン・・・」としばらく間が空いた。パソコンに映画をダウンロードして観る時代になっているかもしれない。貸本屋が無くなったように、DVDショップもいつか無くなる日が来るのだろうか。

 井関惺(さとる)氏の「映画の未来」の講演があった。井関氏がプロデューサーをされたアンディ・ラウ主演「墨攻(2007年)」の話をされた。春秋戦国時代に墨家は儒家と2分した勢力で、墨家の天才戦略家がたった1人で10万人の大軍を相手にした話だ。

 「墨攻」は日本、中国、韓国のみならずマレーシア、オーストラリア、タイにも協力してもらったという。10年前は米国、日本しか資金がなく中国の映画市場は小さかったが、現在では13億人と海外にいる中国人でマーケットは大きくなり、製作が可能になったそうだ。日本映画はアジアで協力して作る時代だと言われる。

 井関氏は黒澤明監督「乱(1990年)」のプロダクション・マネージャーもされていた。「乱」は40~60歳の経営者が観ると面白い映画だ。だが経営者にはDVDを借りに行く時間がない。経営権を渡してから、観る時間ができる。黒澤監督は「新しもの好き」でカラー映画、シネマ、HD、ハイビジョンなどいち早く取り入れられたという。

 メタボリックシンドローム対策も、既に行われている携帯電話による栄養指導など新しいものを取り入れるとよいと思った。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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