高雄の食と肥満・糖尿病

2007年12月12日
 2007年12月7日から台湾高雄へ行き、高雄スプレンダーホテル5625室に3泊した。「カツ丼の カツを取ったら 玉子丼。肉うどん うどん取ったら 肉吸(にくすい)だ」私の海外旅行は、関空2階"にぎ和っ亭"のおにぎり・肉吸セットから始まる。

 12月7日、台北から高雄まで今年3月に開通したばかりの台湾新幹線に乗車した。車窓からの景色はまるで日本と同じだ。車内の電光掲示板の英語は時速298kmとなっている。英語アナウンスの女性の声を聞いていると、日本の新幹線の車内にいると錯覚する。

 高雄は人口152万人の工業都市で、日本の大阪にあたる。海鮮料理店のカニ料理も白子料理も油っこかった。高雄の街にはオートバイの2人乗りが多く、欧米並に太っている人もいる。夜市の屋台を出している中年男女にも、お腹の出ている人が多い。日本では認可されなかった抗肥満薬の脂肪吸収阻害剤が、台湾で爆発的に売れているのもうなずける。

 12月8日、台南にグルメツアーに行った。台南は人口76万人の古い都で、日本の京都にあたる。担担麺、肉チマキ、肉まん、黒タピオカ茶、果物店の5軒回って、1000円もいらなかった。肉チマキの中には脂を細かく刻んだものがたくさん入っており、脂っこい。孔子廟の前では、高齢男性が中年男性に太極拳を教えていた。

 夕方、外の気温は26℃となっている。高雄そごう百貨店と高雄三越百貨店の向かいにある回転寿司に行った。店内は満員で、午後8時2分から13分間待った。105円均一で、軍艦巻きが多く、いい海苔を使っていた。ネタはサーモン系が多く、メニューを見ると代鮑(あわび)などと書いてある。高雄の人は正直だ。

 12月9日、高雄市外の澄清湖の公園では、白いジャージを着た中年男性がカセットテープを流しながら太極拳を舞っていた。ランニングをしている女性達や、サイクリングをしている男性もいる。

 市内の高雄阪神百貨店はバーゲンセールでごった返し、化粧品のバーゲンには長蛇の列ができていた。高雄阪神の横の道を入った所に和食「一本」があった。ビジネスランチは1050円でツナサラダ、刺身3種盛、ロールキャベツ入りかぼちゃスープ、チキン・焼き魚・海老のメインディシュ、魚入りみそ汁、鮭ごはん、デザートと7品あり、コーヒーもサービスしてくれた。日本語が通じなかったが高雄伊勢丹百貨店はどこかと聞くと、伊勢丹まで5分の距離を歩いて案内してくれた。高雄の人は親切だ。

 12月10日、CTV中視テレビ朝のニュースで「肥満が増え、糖尿病が増加している」と放送していた。台湾でも肥満・糖尿病が問題となっている。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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