肥満一筋とメタボリックシンドローム

2007年12月19日
 2007年12月15日、神戸市教育会館で開催された第9回阪神内部障害リハビリテーション研究会(武富由雄会長)で、「メタボリックシンドロームの概念と保健指導」の基調講演をした。座長は大和生活習慣病研究所所長の谷口洋先生がされた。

 講演の後コーヒーを飲みながら、2人の先生と1時間お話をした。神戸大学名誉教授をされている武富先生によると「内部障害とは循環器、呼吸器、代謝疾患などのことで、内部障害という言葉も定着してきた。来年4月からの保健指導にメタボリックシンドロームに興味を持っている理学療法士も多い」そうだ。

 谷口洋神戸大学名誉教授は故西塚泰美(にしづかやすとみ)元神戸大学学長と一緒に研究をされており、よく世間話をしたそうだ。西塚先生は「Cキナーゼ」を発見し、その機能を解明され、論文引用回数が世界一になられたことがある。

 西塚泰美先生は「1人の人が脚光を浴びる陰には、たくさんの裏方さんがいる。私は裏方さんにも、日の光をあてるようにしている」と話されていたそうだ。

 谷口先生は私に「先生は参謀に徹して、肥満一筋でやって来られた。同じことを続けていると一生のうち、どこかで1度は陽があたることがある。メタボリックシンドロームの研究も、途中から入り経過を知らない人が多くなった。松澤先生も自身では書きにくいだろうから、徳永先生が巻頭言に書かれたらどうか」と言われた。

 私のことをずっと見続けて来られた先生がおられることを知り、嬉しくなった。

 齢(よわい)を重ねると、いろいろ気が付くようになる。2007年1月6日ふと思い立ち、連休の3日間で特別寄稿「ヴィレンドルフ賞歴代受賞者の業績と想い出」を一気に書き上げた。日本肥満学会雑誌「肥満研究」13巻117~121頁、2007年に掲載されている。

 2007年10月20日東京都市センターホテルで、斉藤昌之前北海道大学教授と朝の食事をした。斉藤先生はブレイ門下の先輩で、「肥満研究」の編集委員長をされている。「最近の若い人は肥満研究の歴史を知らないので、先生の特別寄稿は若手研究者の参考になります」と言って頂いた。

 昼食後高槻社会保険健康管理センターに帰ると、玄関に向かって右の花壇には赤、白、黄色、紫色のパンジーの花が咲いていた。冬に咲く花は少ない。向かって左の花壇には、冬から4月頃まで咲くというジュリアンの真紅の花が咲いている。紫、黄色、ピンク色のジュリアンもある。

 寒い冬には真紅のジュリアンがいい。花一つで、心が暖かくなる。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

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