学校教育・話し方とメタボリックシンドローム

2007年12月26日
 2007年12月20日、広島市中国四国安全衛生サービスセンターで「最新内臓脂肪の科学」の講演をした。健康保険組合の最近の講演依頼は「メタボリックシンドローム」と、「メンタルヘルス」の2つが多いそうだ。

 広島市JR横川駅から各駅停車に乗って帰路についた。車内に響く女子高生の広島弁が懐かしく、庄原中学時代1年と3年の時の担任だった故高橋孝英先生のことを想い出した。

 1962年、中学に入学するとすぐ卓球部に入り、ウサギ跳びを講堂の中で何周もした。両膝を曲げ、腰を下ろし、両手を後ろに組んで踵(かかと)でウサギのように飛んでいった。

 2日間ウサギ跳びを行った後、両膝がふくれあがり、朝起きると足が立たなくなっていた。1ヶ月間、寝たきりになり学校を休んだ。寝室にはテレビもなく、天井にある木の板の節目をみるか文学書を読むしかなかった。

 少年時代の1か月の寝たきりは、大人に比べメンタルなダメージがはるかに大きい。住職もされていた担任の故高橋孝英先生には、随分気を遣ってもらった。交換日記のようなものをしており、私が書いた文章に赤いインクで短いコメントがあった。

「自主性を持たぬ人は自由な人でない」
「自分で努力しなければ身につかないものだ」
「自らかえりみて正しければ、どんな多数の敵もこわくない」
「自分が敵と思えば相手からも敵と思われる。お互いに人である」
「花は赤く柳はみどりですが、それぞれ個性が充分に生かされている」
「徹底したバカは最も偉い人だ。」
「その日その時を悔いなく生きる。これが私の信条です」などと書かれている。
 故高橋先生に「寡黙は銀、雄弁は金。将来のため、話し方を学んでおくよう」勧められ、弁論部に入った。男子部員は1年生2人だけで、女子先輩部員の話を聞くことは上手になったが、1度も壇上で話すことはなかった。

 NHKの立子山博恒アナウンサーと、テレビの「肥満」特集番組で丸2日間ご一緒したことがある。立子山アナウンサーは恰幅のいい方で、NHKテレビの夜のニュースで拝見していた。どうしたら、話し方が上手になるのか尋ねた。

 「自分は何を伝えたいのか目的を明確にし、それを相手が理解できるように話すことだ。朴訥(ぼくとつ)でもいい、自分の言葉で話した方が、原稿を読むような流暢な話し方より説得力のある場合がある」と言われた。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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