メタボリックシンドロームと大学時代の想い出

2008年1月15日
 2008年1月12日、リーガロイヤルホテルホテル大阪で第56回大阪大学第2内科同窓会が開催された。

 下村伊一郎会長から、元旦は故郷和歌山県田辺市で、世界遺産熊野古道の方角から昇る一条の太陽の光をみつめながら「2内同窓会全員との物心両面の交流をはかり、診療・教育・研究を充実させるとともに、社会・人類に貢献することを誓った」と挨拶があった。

  同級生3人で二次会に行き、大学時代の想い出話に花が咲いた。大学時代の話を2時間していると、当時のことが鮮やかに蘇る。大阪大学時代、部活動はせず7つの同好会に所属していた。古典芸能、ダンス、ハイキング、英会話、旅行、テニス、文芸の7つだ。

 1968年頃は合コンではなく、昼に合ハイ(合同ハイキング)をやっていた。当時大阪大学の学生はお金がなく、京都嵐山に行ったとき、喫茶店のコーヒー代を男性がおごるか、割り勘にするかでもめたこともあった。

 英会話同好会は大阪大学歯学部の人などと、梅田地下街の喫茶「グリーン」に集まって行っていた。ミックスジュース一杯で1時間以上粘っていると、店の人が気になって私は英会話に集中することができなかった。

 文芸同好会は同級生の渡辺康裕君(防衛医科大学教授)が主催し、大阪北野高校卒の人が多かった。日清チキンラーメンだけを肴に、ウィスキーを飲みながら渡辺君の家で、徹夜で「日本の農業問題」などを論議したことがある。

 どれも中途半端におわったが、多くの同好会に入ることで他大学、他学部の人達と知り合うことができた。特に文芸同好会の人脈は今、メタボリックシンドローム啓蒙活動で協力してもらい、大いに役立っている。学生時代に徹夜で語り合った仲間の絆は堅い。

 翌2008年1月13日、世界文化遺産に登録されている上賀茂神社に参拝に行った。23万坪を超える広大な敷地には、豊かな自然が残されている。渡ると長寿になるという、楠の化石でできた「長寿橋」を歩いた。

 渉渓園の前で冷たい空気を胸一杯に吸い込みながら、両手で天を支えた。凍えるような寒さの中、小雨が雪に変わった。京都で見る初めての雪だ。この冬初めての雪だった。

 大学は勉学とともに、人脈を作る絶好の場所でもある。若い頃、知り合った仲間は一生付き合える人達でもある。大学時代は携帯やテレビ画面と向き合うだけでなく、サークルに入るなどして、多くの人と接するとよい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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