食品とメタボリックシンドローム

2008年2月 8日
 2008年1月30日、兵庫・千葉両県で輸入した冷凍ギョーザを食べた10人が下痢・嘔吐を訴え、餃子から有機リン系の農薬「メタミドホス」が検出されたと発表された。

 その後、1000人以上の人が症状を訴え、何者かが故意にメタミドホスを餃子に混入させたとみられている。中国東北部瀋陽(シェンヤン)に旅したことがある。瀋陽ではいろいろな具を使った10種類近くの蒸し餃子が出たが、どれも美味かった。

 1999年3月12日金曜日、宅間守によって「伊丹池尻小学校毒茶事件」がおこった。午後4時4人の小学校教諭が眠い、話しにくいという症状で市立伊丹病院に運ばれてきた。昼食にカレーを食べたので食中毒ではないかと疑い胃洗浄を行った。

 しかし、4人の内1人はカレーを食べておらず、4人とも同じやかんのお茶を飲んだことがわかり、午後5時40分伊丹警察に電話をした。6東、6西、5東、5西の4つの病棟に入院し、4人とも意識障害、構音障害、縮瞳があった。

 午後10時40分、伊丹病院玄関前には20人近くの報道陣が集まっていた。マスコミでは和歌山毒カレー事件につづく「第2の毒カレー事件」と報道している。6東の患者さんが最も重く、脈は40/分台に、血圧は120mmHgから96mmHgに下がった。

 3月13日土曜日午前0時、中毒110番から「コリンエステラーゼが低下しない農薬もある」とFAXが来た。症状からみて精神安定剤か農薬のどちらかだ。午前1時院長に話し、記者会見を開いた。

 午前3時帰宅し、冷めた風呂に入っていると3時30分兵庫県警から「胃洗浄をしたとき何か薬物を使わなかったか」と電話があった。午前4時10分再び県警から「胃洗浄の液に催眠剤が混入していた」と電話があった。

 午前6時30分起床し病院に行き、院長が「睡眠剤によるもの」とNHKテレビ・毎日テレビに2度目の記者会見をされた。午前8時から伊丹警察に経過説明をした。

 翌3月14日日曜日午前7時のニュースでは、小学校の用務員をしていた宅間守逮捕の速報とともに顔写真が出た。午前8時、伊丹病院医局で見ていたサンデーモーニングでは、院長の記者会見の模様が流れていた。

 その後宅間守は不起訴となり、39日間の措置入院の後、自由の身となった。2001年6月8日、池田小学校児童殺傷事件を起こし、幼い8名の命を奪っている。

 揚げ物、フライ物はカロリーが多い。メタボリックシンドローム対策では蒸し物、焼き物にした方がよい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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