流れる雲とメタボリックシンドローム
高槻健管センター「受け渡しの日」で、センター長室も主(あるじ)が変わった。塗装の臭いを出すため、窓を開けて医師控室から外の雲を眺める。雲はゆっくりと、ゆっくりと東の空に動いていく。雲の形も少しずつ変化していく。20分以上も雲を眺め続けたのは、高校以来40年ぶりだ。
ゆったりした時間が流れていく。「梅田地下街の賑々しい時間に比べ、ブータンの時間はゆったりと流れていく。同じ地球に住んでいるのに、住む場所によって時間の経つ速さが違っている」と9日前会った高校時代の同級生が言っていたのを思い出す。
M電器構内の桜は3月28日5分咲きだったが、31日には満開となった。丁度3年前の4月、高槻に赴任した頃も桜が満開だった。
高槻健管センターのホームページはいつ閉鎖になるかもしれない。メタボリック教室を止めようかどうか迷った。同級生は「生活習慣改善の活動もつづけた方がいいのではないか。アップトゥデイトなものを基本に、故事も入れたらいい」と励ましてくれた。
心優しい後輩は「第12段"言いたいことは言えばいい"と瞑想して会議に出ています。私達への人生の応援歌として残して欲しい」、別の後輩は「南カリフォルニア大同窓会をテーマにした第89~95段のような幅広い視野に立ったものを書いて欲しい」と言ってくれた。
本当のところは、自分の考えていることを表す場を残しておきたかった。書いて人に伝えると、見たり聞いたりした情報を意識して取り入れ、まとめることによって記憶に残る。書くことによってストレスが解消する。
幸いインターネットに詳しい知人が「お手伝いします」と言ってくれたので、新しいホームページのデザインから移転まで、全面的にお世話になった。この知人はメタボリック教室をファイルにして「所どころに共感を呼ぶ文章がある」と下線を引いておられ、「第59段を読むと、東京のYホテルに泊まりたくなる」と言われていた。
流れる雲のようにゆったりとした気持ちで、メタボリック教室をつづけようと思う。