空腹時血糖とメタボリックシンドローム基準値
2008年4月から始まった特定健診・保健指導では、空腹時血糖に関する質問が多い。
食事をして受診する人があり、政府管掌健康保険の特定健診で、空腹時血糖が混乱している。政管では空腹時血糖のみでヘモグロビンA1cを認めていない。胃透視がなくなったため、夜食や朝食をとってくる人が多くなったという。
空腹時血糖が抜けていると動機づけ支援や積極的支援への階層化ができなくなり、特定健診を受けたことにならなくなる。受診時には「健診前10時間以上は、水以外のすべての飲食物を摂取しないように」と念を押すことが必要だ。
空腹時血糖に関して最も多い質問は「特定健診の空腹時血糖基準値が110mg/dlから100mg/dlに下がったのはどうしてか。対象者が増えるのでは」というもので、支払い側の保険者から多い。空腹時血糖が100mg/dl~109mg/dlの人が多く、基準値が10mg/dl下がったことで、血糖値の異常となる者が男性では2倍、女性では3倍に増加した。
私は「多くの人を糖尿病にならないようにするためには、基準値は低い方がよい。ハイリスクアプローチをするときには、対象者が増えすぎないよう基準値は高めの方がよい。それぞれの考え方だが、対象者が増えすぎると費用が大きくなりすぎるので、110mg/dlの方がよいと思う」と答えている。
1998年9月22日の厚生労働省班会議(松澤班)で、私は腹囲男女とも88cm、空腹時血糖110mg/dl、総コレステロール220mg/dl・中性脂肪150mg/dl、血圧140/90mg/dlを基準としていた。
2008年4月からの特定健診では、腹囲が男性85cm・女性90cmとなり、空腹時血糖は100mg/dlと低くなった。総コレステロールがなくなりHDL-コレステロール40mg/dlが入り、血圧は130/85mg/dlと低くなっている。
2007年6月
「松澤先生はたいしたものだ。巻き尺一本で8学会をまとめ上げ、天下を統一された」と言われた。松澤佑次住友病院長が作られた基本的な骨格「内臓脂肪蓄積を必須として、糖尿病・脂質異常症・高血圧のいずれかを複数有する者」は変わっていない。
松澤先生の手法は大きな幹は崩さず、枝の部位はみんなの意見を聞くという英国サッチャー首相の手法に似ていると思っていた。国の要職にあった人も、サッチャー首相と同じ一点突破という手法で大きな仕事を成し遂げている。