くいだおれ人形とメタボリックシンドローム

2008年7月 7日

    200878日に大阪道頓堀にある食堂「くいだおれ」が閉店する。店の前に飾ってある眼鏡をかけて赤と白の縦縞の服を着、太鼓を叩いている「くいだおれ人形」がどうなるか話題となっている。

 

高校1年の夏休み、196588日から56日で庄原から大阪旅行に行った。大阪城、四天王寺、住吉大社などに行った。89日は地下鉄難波駅から戎橋筋を通り、道頓堀の「くいだおれ」でランチを食べた。ランチは200円、レモネードは80円だった。

 

2008622日、43年ぶりに「くいだおれ」で食べようと妻子を連れて、道頓堀に行った。くいだおれ人形の前では80人が孤の形に3重になり、携帯電話で写真を撮っていた。入り口では10人の行列となっており、くいだおれセットはステーキ、海老フライ、ハンバーグからなる豪華なもので1980円となっていた。カロリーは高そうだった。

 

43年前にはガム30円、パン30円、チョコレート50円、お好み焼き120円、カレーライス100円、週刊誌40円、梅田コマ劇場A650円、落語・漫才の角座250円、みなと遊園のお化け屋敷30円だった。43年間でコーラは50円から120円、新聞は15円から130円、地下鉄(梅田→難波)は30円から230円に上がっている。

 

1989220日、中国の北京の天安門広場の横にある映画館に入った。フランス映画で、字幕が中国語だったので内容が全くわからなかった。椅子ではなく丸太の木の上に座って観た。館内は満員で、わずか5円の映画代だった。

2005529日、中国の広州市で米国映画スター・ウォーズを観た。日本より1ヶ月以上早い公開だった。椅子は日本と同じだったが、350円だった。16年間で中国の映画料金は70倍となっていた。

 

中国の物価上昇は著しい。3年前は6万円で中国旅行ができていたが、今で10万円となった。今の若い人はインフレを経験していないので、お金を信用しているが、食料やエネルギーが不足すると、お金でものが買えなくなるかもしれない。

中国の人が日本人1人当たりと同じ台数の自動車を持つと、世界の自動車は2倍になるといわれている。環境問題を盛んに取り上げているが、インドや開発途上国の人口増加を止めないと、長期的にはどうにもならないだろう。急激な少子化はよくないが、資源が豊富でない日本の人口は、もっと少なくてよいのではないか。

 

43年前に比べ、くいだおれのランチは高カロリーとなり、物価は上がった。「くいだおれ太郎」の体型は変わっていない。世の中が、どう変わろうと食べ過ぎはよくない。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

著作権について