日系米人とメタボリックシンドローム
2008年7月26日、ホテルグランヴィア大阪で第4回高尿酸血症・メタボリックシンドロームリサーチフォーラムが開催された。
特別講演は上島弘嗣滋賀医科大学福祉保健医学教授の「メタボリックシンドロームの日米比較:日系米人を通して見えるもの」だった。40~59歳の日本人男性の平均は身長168cm、体重66.9kg、BMI23.5なのに対し、ハワイ在住の日系米人の身長は167cmとほぼ同じだが、体重が78.7kgと多く、BMIも28.1と肥満が多い。
日系米人では糖尿病、高血圧、脂質異常症の頻度が日本人に比べ高い。日本の診断基準で判定した日系米人のメタボリックシンドロームの頻度は、日本人の2倍以上となっている。高速電子ビームによる冠動脈石灰化の頻度は3倍にもなる。
同じ遺伝子を有するのにメタボリックシンドロームが多いのは何故か。生活習慣に違いがあると考えられる。上島教授らの調査によると日系米人は脂肪の摂取が多く、砂糖の摂取も約120gと日本人の90gに比べ多くなっている。ω(オメガ)3系多価不飽和脂肪酸の摂取が約0.9%と日本人の1.3%に比べ少なくなっている。
食習慣としては脂肪や砂糖の摂取過剰、ω3系多価不飽和脂肪酸を多く含む魚の摂取量の少なさがメタボリックシンドロームの頻度の多さと関係していそうだ。ハワイの日系人は日本人に比べ、動くことも少ないそうだ。
閉会時、代表世話人で日本動脈硬化学会理事長をされている北徹京都大学副学長は、沖縄の26ショックに触れられた。「沖縄男性の平均寿命は26位に低下した。沖縄で動脈硬化性疾患が増加したのは、いち早くファーストフードが入り食生活が欧米化されたためだ。
過剰栄養にどれだけの期間さらされたか、長い蓄積が動脈硬化を引き起こすのだろう。このまま日本人の食生活が欧米化すると、ハワイの日系米人のようになる可能性があり、生活習慣の改善で防がなくてはならない」と挨拶された。
三宮の夏は暑い。地上は暑いので、昼食は涼しい地下を歩いて三宮センター街に行っている。サラリーマンが多く、食事が出るのも早い。センタープラザから国際会館までの地下道は人もまばらで、呼吸を整えて規則正しく歩くことができ夏の散歩コースによい。
帰宅時途中下車し、JR
脂肪と砂糖を制限し魚を食べる食生活と、動きまわる生活習慣が大切だ。