大阪老人施設巡りとメタボリックシンドローム
2008年8月9日、弁護士をしている友人の提案で大阪の老人施設の見学をした。
還暦が近くなってくると、老後をどう過ごそうか気になってくる。公認会計士夫妻を含む10人で特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、ケアハウスを巡った。
「特養」は常時介護が必要な65歳以上の高齢者の中で、自宅で介護を受けることが困難な人が入所している。特養はどこも満員で、見学した特養は124人定員で400人待ちとなっていた。1年に22~23人入れ替わるという。
午後4時の食堂には40人の老人が座っており、半数は車椅子に乗っていた。「脳梗塞で車椅子になっているのか」と聞くと、「3人に1人は片麻痺など脳梗塞の既往があるが、骨や関節の病気で車椅子を使っている人も多い」と説明された。
女性が圧倒的に多く、食堂にいる40人の中で男性は1人しかいなかった。入所者の性別を聞くと「124人中102人が女性で、男性は22人と2割もいない。男性は自宅で女性が看病するので男性は少ない。1人残った女性が入所してくる」とのことだった。
「老健」は65歳以上の高齢者の中で、入院する必要はないが一定の機能訓練や看護、日常生活での介護を必要とする人が入所している。老健の部屋の広さは、特養に比べ少し狭い。老健、特養ともに介護保険の適応となり、1割+食費と居住費が必要となる。
「ケアハウス」は身体機能の低下、高齢のため独立して生活することに不安があり、家族による援助が困難な人が入所している。入居一時金が必要で、生活費は自己負担となっている。
大阪で1番人気だというケアハウスは、都心のど真ん中の駅に近い所にあった。歩いてデパートに買い物に行くことができる。施設の前にはノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元総理が住んでいたという家の跡に、格子の門が記念に残されていた。
施設の食堂には1週間のメニューが張り出してあり、夕食はクリームシチューなどだ。友人は「自分の家の食事よりいいなぁ」と言っていた。碁盤、楽器、ウォーキングマシーン、マッサージ器なども置いてあった。
大阪で2番人気だというケアハウスは住宅街にあり、近くに熊野街道の石碑があった。施設の前にある大きな池の周りには桜の木が植えてあり、花見の季節には出店が並ぶそうだ。緑が多く、雀の鳴き声が聞こえる。現在、男性8人、女性32人で、やはり女性が多い。40名の定員で1年に2名ぐらい入れ替わるという。
健康な体と心で、生きる喜びが持てる老後を過ごしたいものだ。