タスポとメタスポ
2008年9月14日、
1325号室に宿泊した。窓から緑の山々が見える。「同窓会に来たくない人、同窓会に来たくても来られない人、いろいろあるが、出席している人は幸せな人達だ」と同級生は言う。病気や疲労、親の介護など諸事情で出席したくてもできない人達がいる。
有馬温泉は清少納言の「枕草子」にも出てくる由緒ある温泉で、有馬温泉での同窓会は13回目だが、兵衛向陽閣は初めてだ。一の湯、二の湯、三の湯があり、露天風呂の三の湯に入った。宴会前、女将さんは「豊臣秀吉が兵衛と名付けられた」と挨拶された。
二次会ではタバコの話が出た。タバコにはタール・ニコチン以外にも種々の有害物質が含まれており、膀胱癌などとも関連しているという。タバコは悪いとわかっていても、特定健診・保健指導での禁煙指導は難しい。
全国紙の朝刊に、社会学者の加藤秀俊氏の「タスポとメタスポ」のエッセイが載っていた。タスポはタバコパスポートの略で、未成年者が自動販売機でタバコを購入できないようにするための身分証明カードだ。メタスポはメタボリックパスポートの略だろう。タスポに関して否定的な論調だが、メタスポに関しては示唆に富んでいて、ユニークだ。
「これからは腹囲85cm以下の人間だけに、保健所の証明によるメタスポを発行すべきである。その提示がなければ牛丼、ステーキ、トンカツ、焼き肉、シューマイ、天ぷらその他1000カロリーを超える食品を提供してはならない。それを全国の飲食店に周知徹底して販売を禁止させるのがよろしい」と書いてある。
以前、ある大臣政務官とタバコの値上げについて話をしたことがある。その時、「タスポ」と若年者を認識する「人面認証」のことを知った。タスポの普及率は、まだ低い。
タバコの値上げには与党議員の中にも野党議員の中にも賛成、反対がある。国民も賛成する人と反対する人がいる。夜の報道番組など民間テレビのニュース番組は、コマーシャルの関係でタバコ値上げには、歯切れが悪くなるらしい。たばこ産業は関連会社を含めると、驚くほど巨大な産業になっている。
たばこに詳しい友人に聞くと「タバコを値上げすると一時的には税収が増加するが、その後年々税収は減少していく。若年者がタバコを吸わなくなり、タバコを吸う人が高齢化するとともに喫煙人口が減少するためだ」と言う。
喫煙対策は税収が減少するかもしれないが、将来の子供達のためにも必要だ。