食事バランスガイドと管理栄養士
2008年9月25日、管理栄養士の人達とメタボリックシンドロームの食事療法について話をした時、食事バランスガイドのコマが話題になった。
「食事バランスガイド」は吉池信男青森県立保健大学教授らを中心に作成され、2006年6月に厚生労働省と農林水産省の合同で発表されている。日本古来のコマの形をしたメッセージ性の強いものとなっている。
「コマは食事のバランスが崩れたり、運動をしなかったりすると、回転しなくなって倒れてしまう」という理念がいい。各料理区分が量的な目安で示されている。円錐を逆さにしたコマの図は、しっかり意識して食べる必要があるものから順に描かれている。
上段から主食(ごはん、パン、麺類)、副食(野菜、きのこ、いも、海藻料理)、主菜(肉、魚、卵、大豆料理)があり、最下段は中央で半分に分けられ左が牛乳・乳製品、右が果物となっている。コマの軸は水・お茶となっている。軸の回りを人が走っており運動と書いてある。コマの紐(菓子・嗜好飲料)は細く描いてある。
管理栄養士さんから「食品でなく料理として示してあるので、一般の人に分かりやすい」「スーパーやレストランで掲載してある所があり、活用されている」「食事は水が重要で、水を十分飲む必要があるとしている所がいい」「副菜の摂取量が少ない人は、コマをみると一目でわかる」などの意見があった。
問題点を聞いてみると「主菜と副菜の区別が付きにくい。納豆は小皿に入っているので副菜と間違える人がいる」「主菜が少ないので魚や大豆をあまり食べることができない」「菓子とアルコールがコマの中にないので、お菓子やお酒をいくら摂ってもいいと誤解する人がいる」
「秋になってトリグリ(中性脂肪)が増えた女性は大概、果物をたくさん食べている。果物は、ビタミンCやカリウムが豊富で健康にいいからと、たくさん食べる人がいる。牛乳もカルシウムが多いからと飲み過ぎて、高脂血症になる人がいる」と言う。
洋菓子や和菓子に変えて、果物を食べるのはよい。しかし、果物もココアや赤ワインと同様に、健康によいからといって多く摂取すると太ってしまうことを肥満外来で何例も経験した。
秋は葡萄・梨・柿など美味しい旬の果物がたくさんある。中年男性は加工されていない新鮮な果物を適量そのまま摂取し、秋の味覚を堪能しながらバランスのいい食事をとるとよい。