ノーベル賞とヨーロッパ肥満学会
2008年10月7日ノーベル物理学賞に「素粒子の研究」で南部陽一郎米シカゴ大名誉教授、益川敏英京都産業大教授、小林誠高エネ加速器研名誉教授の日本人3氏が受賞した。
翌日のテレビインタビューで益川教授は「歩きながら考えていて、一度トラックに轢かれそうになったことがある」と答えられていた。私も公園を散歩しているときや、ショッピングセンターの中を歩いている時に、構想やいい文章が浮かんでくることが多い。
10月8日ノーベル化学賞に「緑色蛍光蛋白質の研究」で
12月10日スウェーデンでノーベル賞の授与式が行われる。授与式が行われるスウェーデンには、1988年6月に開催された第1回ヨーロッパ肥満学会(ビヨーントルプ会長)で行ったことがある。垂井清一郎大阪大名誉教授、松澤佑次日本肥満学会理事長、藤岡滋典日本生命健康管理所所長らと参加した。
1988年6月4日、ストックホルム市庁舎「青の広間」で学会歓迎会があった。天井が高い大きな広間で、「ここが世界中の科学者が憧れる青の広間か!」と感激した。ヨーロッパ肥満学会では1987年に藤岡、松澤、徳永、垂井の名で発表した内臓脂肪型肥満の論文が北米、ヨーロッパなどの研究者に認知されていた。
ストックホルムの旧市街の道は石畳となっており、古い時代の街並みとなっていた。旧市街にあるビクトリーホテルに宿泊した。旧市街を遺産として残すため外観は古びた建物だったが、ホテルの中は現代的な設備がしてあり1泊3万円した。
招待された6月5日のクルーズでは、カナダのデプレー教授が私達の名札をみて「ドクター・トクナーガ」「ドクター・フジオーカ」と話しかけて来られた。私達の論文をみて、CTスキャンを使って内臓脂肪の研究をはじめられたという。
テレビで益川敏英教授は英語が嫌いだと言われていた。科学者は英語ができなくても、いい研究をすれば言葉を超えて世界中どこの国の人とも仲良くすることができる。
2008年10月11日、半年ぶりに高槻にある女瀬川沿いを散歩した。松下電器の看板は、panasonicに変わっていたが、自然はそのまま残っていた。健康センターの前の花壇には白、赤、ピンク色をした秋桜(コスモス)の花の回りを、小さな白い蝶と黄色い蝶が舞っていた。用水路では小さい黒い魚が群をなして泳いでいた。
若い研究者はすぐに役立つ研究だけでなく、自然のように永い目でみた創造性のある研究もするとよいと思った。