静岡の食・歴史とメタボリックシンドローム

2009年1月27日

    2009123日、第37回日本総合健診医学会が静岡市で開催された。

JR東静岡から会場のグランシップに行く途中、810世紀に使われた幅9mの古代東海道があった。グランシップは、船の形をしており船首の先に富士山が見えた。

 メタボ保健指導の会場は満席になっていた。保健指導の実施によって腹囲が減少し、検査値が改善したという報告が多かった。学会発表する施設では熱心な指導で、よい成績が得られているのかもしれない。

 夜、ホテルセンチュリー静岡で学会懇親会があった。緑色の飲み物があり「静岡割り」といって、焼酎の緑茶割りだった。立食パーティーにしては珍しく、おでんの屋台があった。スープが黒い色をしており、おでんの具に鯖と鰯が原料の「はんぺん」があった。

3人の料理人によるマグロの解体ショーが始まると、黒山の人だかりとなった。マグロは30kg300人分になるという。刺身は赤身ばかりだった。トロは、どこに消えたのか。

 ホテルアソシア静岡1003号室に宿泊した。ホテルの朝食では、緑のブロッコリーが富士山のように積み上げられていた。桜エビ入りのオムレツ、わさび漬けなどを食べた。

 

24日のランチョンセミナーには「健康長寿しずおか弁当」が出た。由比名産の桜海老のかき揚げ、焼津名産黒はんぺん照焼、静岡茶飯、安倍川餅などが入っていた。

 午後3時から、日本総合健診医学会理事長の日野原重明先生と、香川芳子女子栄養大学学長の対談による市民公開講座「食と健康」があった。800名の聴衆は、高齢者が多い。日野原先生が「私は97歳と4ヶ月になります」と言われると、会場は驚きでどよめいた。

香川先生は「葉酸が欠乏すると認知症になりやすくなる。緑茶やブロッコリーなど緑黄色野菜は、葉酸を多く含んでいる。また、魚の脂は動脈硬化によい」と話された。

夜、焼津市へ寿司を食べに行った。主人は「60kgのミナミマグロで脂がのっている」と言われる。幻の吟醸酒「磯自慢」を飲みながら、トロを6貫食べた。

 

25日昼、明るい陽射しの中、静岡市から雪を頂く富士山がくっきりと見えた。東海の名園「浮月楼」で慶喜懐石を食べた。15代将軍徳川慶喜が明治233歳の時から蟄居していた所だ。庭園には池があり、梅の花が咲いていた。池にかかった橋をそぞろ歩きし、下を見ると透き通った水の中で白い大きな鯉が泳いでいた。

慶喜はこの池を眺めながら囲碁、油絵、写真など20年もの間、風月を友として悠々自適の生活を送ったのだろうか。伊藤博文、井上馨、西園寺公望もこの庭園を愛したという。

静岡の新鮮な魚、緑黄色野菜、緑茶はメタボリックシンドロームによさそうだ。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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