梅の季節とメタボリックシンドローム 

2009年2月 5日

     200922日、第43回大阪産業医学研究会がホテルグランヴィア大阪で開催された。

 特別講演は筑波大学スポーツ医学の久野譜也准教授の「生活習慣病予防のための運動のエビデンス」だった。「メタボ対策には有酸素運動、食事とともに筋トレが重要だ。筋トレは筋肉量を増やし基礎代謝を上げ、寝たきりの原因となる骨折・転倒を防ぐ」と話された。

久野先生は厚生労働省の「健康づくりのための運動指針2006」を策定されている。「運動・身体活動は1日当たりではなく、1週当たり23エクササイズとなっている。平日歩いたり運動したりできない人は、土曜・日曜など休日にまとめてしてもよい」と言われた。

 

21日の日曜日、梅を観に京都市山科区にある真言宗勧修寺(かじゅうじ)へ3人で行った。入り口に、黄色い梅が咲いていた。お寺の人に聞くと「今年の梅は機嫌が悪いのか、まだ少ししか咲いていない」と答えられた。

庭に入ると、江戸時代に京都御所から贈られた樹齢300年の「臥竜の老梅」があった。親木、子木は根の部分だけ残っており、孫木、ひ孫木が枝をのばしている。

 

書院前庭には白い梅が少し咲いており、水戸光圀が寄進した「石灯籠」があった。樹齢750年のハイビヤクシンが灯籠を囲んでいる。「テレビドラマの正義の味方"水戸黄門"には、頼もしい"助さん""格さん"がついている。いつもは黄門様に忠実な助さん格さんも、将軍から異なる命令が出たら将軍の指示に従う」と誰かが言われていた。

 

どんよりとした曇り空の下、ザーザーと木の鳴る音がする。竹藪の前を過ぎると、八十八の霊石があり、石の上に番号がついている。石の上を踏んで88カ所巡りをした。88番目の石には「高野山」と白いペンキで書いてあった。

高野山と関連の深い有名進学校が、私の故郷広島県庄原市に全寮制の中高一貫教育の学校建設を計画していた。1学年802学級で、6年間の間に1年間海外留学するというものだった。山間部の自然の中で5年、海外で1年、多感な青春時代を過ごす。「地方の生活を経験し、国際感覚を身につけた人材を育てる」いい発想だと思った。

大学は東京一極集中になっている。都会で生まれ育ち、地方で暮らしたことのない人には、地方のことがわかり難い。教育は必ずしも東京で行う必要はない。国の施策として東京の学校は制限して、地方の学校に補助金を重点的に出すとよい。そうやって地方に学校を分散させれば、地方の活性化にもなると思った。

 

北海道では冬、2型糖尿病が増加するという。梅の季節、外出して自然を楽しめば、心と体の健康づくりにもなる。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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