アカデミー賞と肥満・糖尿病大国インド
2009年2月22日、映画界最高の栄誉とされる米アカデミー賞が発表された。
外国語映画賞に「おくりびと」、短編アニメ賞に「つみきのいえ」と、日本映画がダブル受賞した。作品賞にはインド社会を描いた「スラムドッグ&ミリオネア」が選ばれた。
日本人はインドを「仏陀、ヨガ、貧困の国」と見がちであるが、インドは「IT、医療観光、肥満・糖尿病大国」でもある。私が以前、インドに行ったとき、丁度マイクロソフト社のビルゲイツ会長、日本の電器メーカーの副社長や常務が来られていた。
欧米から、多くの人が心臓カテーテル治療などに行っている。インドの治療費は安く、旅費を払っても何分の1かの費用ですみ、インド観光をすることもできる。米国で経験を積んだ医師が治療をしており、インドの医療技術レベルは高い。
松澤佑次日本肥満学会会長が、インドのゴールデン賞を受賞された時「インドの医療機関を見学したが、心臓治療や整形外科治療など日本より設備の整った病院がある」と言われていた。
国際糖尿病連合(IDF)は2007年、インドの糖尿病は4100万人となり、中国の4000万人を抜いて世界一の糖尿病大国になったと発表した。3位は米国で、日本は6位となっている。
2月5~8日に開催された第5回アジア・オセアニア肥満学会で、BMI30以上の肥満は都市部が44%、農村部が22%だと報告されている。インドの肥満は日本の肥満2~3%に比べ著しく多い。富裕層・中間層に肥満が多く、貧困層はやせている。インドでは肥満・糖尿病に対し、日本の健診・保健指導のような国家的レベルでの対応がなされていない。
2月24日帰宅時、どんよりとした雲空の下、コートの襟をたてて
午後5時50分から1人土手に佇み、夕暮れ時の川を眺めた。大きな送電塔が5本立ち、水道管が川を超えて
徐々に暗くなり、対岸の家やアパートの部屋に明かりが灯り始めた。堤防沿いを走る車がヘッドライトをつけ、手前の道を赤いテールランプをつけた車が次々と走り去っていく。午後6時10分、辺りはすっかり暗くなっていた。