腎・尿路結石とメタボリックシンドローム
日本における腎・尿路結石は、動物性たんぱく質・脂肪や砂糖の過剰摂取など食生活の欧米化により急増し、30年で2倍になっている。メタボリックシンドロームとの関連も指摘されており、高血圧、脂質異常症、糖尿病の合併も多い。
男性では7人に1人、女性では15人に1人が尿路結石に罹患する。米国の医師・看護師25万人対象とした研究では、肥満男性は1.4倍、肥満女性は2倍、腎結石になりやすいと報告されている。腹囲と腎結石との相関も認められている。
腎結石が尿管に詰まると、ある日突然激しい痛みに襲われる。結石予防で最も重要なのは水分を十分摂取して尿を薄めることで、1日2リットル以上の水を飲むことが勧められる。結石は夜作られるので、夕食から睡眠まで4時間以上おくとよい。
腎結石の80%をシュウ酸カルシウム結石が占める。シュウ酸はカルシウムと結合し大便として排泄されるので、シュウ酸が多いホウレンソウを食べる時には、カルシウムを多く含む鰹節やチリメンジャコをかけるとよい。
2009年7月5日梅雨の季節、奈良県五條市へ行った。五條市に住む電気メーカーOBから「五條市は明治維新発祥の地だ。天誅組(てんちゅうぐみ)という尊王攘夷派の志士達が、日本で最初に江戸幕府の直轄地"天領"である五條を攻撃した。代官の首を洗った石でできた首洗鉢や、代官達の墓石がある」と聞き見学に行った。
午前9時20分出発、兵庫県知事選挙の投票を済ませ、阪神高速、南阪奈道から国道24号線に入り、五條市に向かった。五條は明治の一時期、五條県の県庁所在地だった。土佐藩士の吉村寅太郎らが弱冠19歳の公家中山忠光をリーダーとし、明治維新の5年前の1863年8月17日に五條代官所を襲撃している。
12時20分、天誅組の本陣があった櫻井寺に着いた。さらし首となった代官鈴木源内の首を洗ったとされる"首洗いの石手水鉢"が残されていた。平和に暮らしていた私と同じ60歳の代官が、ある日突然、何の前触れもなく見ず知らずの若者たちに襲われている。
12時45分五條市役所に着くと、雨が降り始めた。市役所の前には"五條代官所跡"と書いた横に長い石碑が建っていた。傘をさし、歩いて五條役人所代官墓所(極楽寺霊園)に行った。雨の中を歩き回り、ようやく墓所を捜し当てた。墓石は5つだが、6名が葬られていた。
温厚で善良な人間が、幕府方というだけで惨殺されている。墓石ができた当時は、領民に慕われていたという代官のお墓に、お参りする人も多かったのだろう。140年経った今、墓石には苔が生え、花立にはクモの巣がはっていた。