アルコールと肥満・メタボリックシンドローム

2009年7月29日

    2009724日、大阪市西区京町堀にあるKクラブで職場の納涼パーティーがあった。 

メタボリックシンドローム対策のため、江坂から地下鉄で行くことにした。淀屋橋で降り御堂筋を南へ向かう。地図で目印となっている大阪ガスビルがわかりにくく、地下鉄本町駅が見える所まで行き過ぎ目的地まで30分かかった。汗が出たが、いい運動になった。

 

職員90名中52名が参加した。売り物の高級但馬牛冷シャブが出た。シャブシャブなど冬鍋の季節は、予約で一杯になるという。

懇親会ではキリンビールが大きなジョッキに入れられて出た。ビールと銀行は密接な関連がある。阪大病院時代、忘年会で出されるビールの会社は決まっていた。ビールを見ると、どこの銀行と取引しているかわかることがある。

 

太鼓腹は別名ビール腹とも呼ばれる。大阪大学で肥満研究をしていた20年前、内臓脂肪が蓄積したラットを作ろうと、ビールをラットに飲ませたが、みんな痩せてしまった。ビールだけで、水を与えないとラットは痩せることがわかった。

 次にラットの口から胃にチューブを入れ、注射器で直接アルコールを与えてみた。水と餌を自由に与えながら、エタノールを強制的にラットの胃袋に入れると、ラットは丸々と太った。アルコールを強制的に与えると太ることがわかった。

 

K社とS社が合併するという。2009年1~6月の主力商品とシェアは、ビールがK社「一番搾り」15.1%、S社「ザ・プレミアム・モルツ」5.0%、発泡酒は「淡麗生」30.9%、「マグナムドライ」4.5%、第3のビールは「のどごし生」32.6%、「金麦」11.5%となっている。

清涼飲料水では、ミネラルウォーターはK社「アルカリイオンの水」14.7%、S社「天然水」25.9%、お茶は「生茶」11.2%、「伊右衛門」20.0%、缶コーヒーは「ファイア」8.4%、「ボス」18.2%となっている。

 

K社は財閥系で堅い会社だ。S社は「やってみなはれ」精神の自由闊達な会社だ。S社宣伝部には、芥川賞作家の開高健や直木賞作家の山口瞳がいた。歴史も風土も全く異なる会社が合併し、果たしてうまくいくものか?銀行OBの友人に聞いてみた。

友人は「社員には寝耳に水の話だっただろう。合併せざるを得ない理由(わけ)があったのだろう。一般的に対等合併になっても、どちらかの社風になっていく。一方の社が重要なポストをとり、他方の社はお飾りのポストになる。大阪らしい会社が少なくなって行くかもしれないのは淋しいことだ」と言う。

 

ビールなどアルコールを過剰に摂取すると肥満になる。酒はほどほどに飲むのがよい。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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メタボリックシンドローム

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