大阪大学第2内科脂質研同窓会とファミリー
2009年10月1日、大阪市北区にある料亭"芝苑"で大阪大学第2内科脂質研究室同窓会「アブラヤ会」が開催され39名が参加した。
アブラヤ会は50年以上つづく脂質研のOBと現役との会で、以前は宝塚グランドホテルなどで宿泊して行っていた。アブラヤ会は家族的な付き合いの中で、いざという時や困った時に助けてくれるファミリーのようなものだ。
アブラヤ会の名は戦国時代に美濃の齋藤道三が油売りから身を起こし、一国一城の主(あるじ)となったことに由来する。
江坂から地下鉄御堂筋線に乗り梅田で降り、ウォーキングのため芝苑まで新御堂筋を歩いて行った。左側に新築されたホテル"法華クラブ"があった。大阪大学入試の時、父といっしょに宿泊したホテルで懐かしい。
芝苑(しえん)は医師仲間がよく利用する料亭で、私が大学を去る時も芝苑で研究室の送別会を開いてもらった。座敷だがテーブルに椅子の宴会もでき、膝に支障のある高齢者にも優しい。女将(おかみ)のあとに挨拶された大女将は88歳だという。私の母も87歳で現役歯科医をしている。どの社会でも、高齢で元気に社会を支えている人達がいる。
以前、アブラヤ会ファミリーとT大3内ファミリーと、座敷で一緒に会席料理を食べたことがある。コの字型の上座に一人、元日本糖尿病学会理事長が座られ、対面に左から日本糖尿病学会理事長、大学教授、大学学長、大学教授、・・が座られた。
アブラヤ会側は日本肥満学会理事長、その隣に私、私の右に健康管理所所長、郡市医師会会長、日本医師会常任理事、内科教授の6人が座った。そのときのメンバーがメタボリックシンドローム対策で大きな役割を果たしている。
国立循環器病センター副所長をされていた山本章前アブラヤ会会長から「心にゆとりを、言葉にユーモアを」「脂質代謝の研究から老人医療の現場まで」(中外医学社2008年)をいただいた。読んで、アブラヤ会とT大3内と、何故仲がいいのか謎が解けた。
T大3内から阪大2内に教授が来られた時、T大への排斥運動が起こった。多くの研究室がある中、唯一教授を守り、支援したのがアブラヤ会だったのだ。不遇の時に助けられたことは、恩義に感じるものである。T大3内から来られた教授は、1962年肥満外来を開設された。肥満研究グループにとって、T大3内は母方の実家に当たるのかもしれない。
阪大2内もT大3内も消滅したが、日本における肥満増加をある程度食い止めることができた。アブラヤ会は今後も、日本の医療をよくするため貢献していくことだろう。