外国人労働力と小学校肥満教育
2009年10月10日午後3時からアクトシティ浜松大ホールで、市民公開講座「ストップ・ザ・こどものメタボーこどもたちの肥満・メタボリックシンドロームを防ぐ」が開催された。
浜松のある小学校では外国人子弟の割合が20%、小学1年生では35%に増加しているという。日本人の子供の肥満の頻度は11%で日本の子供の平均だが、外国人の子供の肥満の頻度は57%と多くなっている。
外国人小児肥満の原因は食生活にあるという。肉のみで魚を食べない。コーラを水代わりに飲む。食事の時、鍋がテーブルの中心にあり、好きなものを好きなだけ食べることができる。両親が共働きの家庭が多く、夕食前にポテトフライやレトルト食品を食べ1日4食となっている。このような特徴は、日本の小児肥満にも当てはまる所があるという。
外国人を対象に食生活の相談を行った所、120人が子供について相談され、そのうち80%が子供の肥満についてだったという。外国人小児肥満の問題は家庭、学校、社会、日本、みんなが取り組む課題だと言われた。
浜松医大仲山順子栄養管理部長による「子供の健康食生活と食育」の講演があった。「昭和30年代には栄養不良の子供が多く、食生活の改善はたくさん食べることだった。ご飯からパン食になり、太った子供が健康優良児とされた。
昭和50年代は、さらにたくさん食べることが推奨された。食べると健康に良いという食品のテレビ宣伝、30品目の摂取、バイキング料理、ごはんを減らしおかずを増やす、マヨネーズの多用、ブドウ糖・果糖の入ったペットボトル飲料が増加した」と話された。
小学校の中には「給食を全部食べないといけない。残してはいけない」と教育をされている先生がいる。クラスの中の太った子供に食べさせることになりかねない。「半分、残しましょう。家に持って帰りましょう」といった指導が必要だ。"減らす勇気の時代"を強調された。
最後に、大関武彦先生お勧めのピアノ演奏「宮本いずみミニコンサート」があった。宮本いずみさんはスペイン、ロシア、イタリアなどで多くの賞を受賞され、3年前ドイツ留学から帰国、現在は日本や中国などで活躍されているという。心を包み込むような生の演奏を聴いた。
現在日本は不況で、一時的に雇用が減少している。しかし、長期的にみると少子高齢化で労働者不足となり、外国人労働者が増加する時代が来るだろう。日本の小学校では、いずれ外国人子弟が多くなる時代がやってくる。外国人小児肥満に対する小学校教育も考えておく必要があるだろう。