都市のあり方と関空英語医療特区
2009年10月30日午後USC同窓会台北で、台北県知事による「都市のあり方と台北港特区」の講演があった。
報道陣が多く集まり、講演中盛んにフラッシュがたかれていた。県知事は「新たに台北港を作り上海、大連、韓国、日本などとの貿易の拠点港にする。街には住宅、大型ショッピングセンター、劇場、アミューズメントパークをつくり、高速鉄道で空港と20分で結び、高速道路を作る。
森林も残し、子供たちが自然の中で花や小鳥と遊べるようにする。風力発電で二酸化炭素を削減する。クリーンで、グリーンで、エコノミックな都市づくりをする」と話された。
大阪港も20分で関西空港と結べばいいかもしれない。関西空港のある大阪泉南地区医療再生予算が100億円から25億円に削減された。泉南地区の医療崩壊は勤務医が開業したり、他の地区の病院に移ったりしたのが大きな要因だ。勤務医の過重労働を減らし、勤務医から開業医への流出を防がなくては解決にはならない。
補正予算全体では2兆9259億円が削減され、自民党が作った補正の「地域医療再生予算」は3100億円から94か所一律25億円となった。25億円が94か所で2350億円と750億円の削減となる。「全国94か所にハコ物ができても、医療再生にはならない。2350億円は無駄だ」と指摘する医療関係者もいる。
民主党はマニフェストで「医師養成数を1.5倍にする」と公約している。このことは、激務で疲弊している勤務医にとって非常にありがたいことだ。しかし、日本の大学の医師数は著しく減少し、教育・診療・研究もしなくてはならず過重労働となっている。医学部の定員を一気に1.5倍にすることは、今の大学体制からいって難しいだろう。
医師不足対策の緊急的な措置として、海外からの医師を受け入れることが現実的な対応になるかもしれない。イギリスは医師不足で医療崩壊した時、英語圏から英語のできる医師を受け入れ再生しつつある。
日本は日本語圏がなく、海外から医師を受け入れる時、日本語を学んでもらわなくてはならない。異国の地で働くことに、不安を抱いてやって来る。日本語ができなくても英語が通じる病院にすればハードルが低くなり、海外から医師や看護師を日本に呼びやすくなるだろう。
関空英語医療特区を作り高度医療も行うようにすれば、中国の富裕層が観光も兼ねて受診し、大阪府の収入も増えるかもしれない。大阪泉南地区には医療改革に熱心な先生方が何人かおられる。行政と医療者が協力して関空英語医療特区を作れば、泉南地区の医療崩壊を防ぐことができるのではないかと思った。