たばこ値上げと鬚の渡しコスモス園
2009年11月9日、厚生労働省は「国民健康・栄養調査」の喫煙結果を公表した。
2008年の男性における喫煙率は36.8%となり、調査を開始した1986年の喫煙率59.7%以来最も低くなっている。女性の喫煙率は9.1%で、2001年以来、久しぶりに1割を下回った。日本人全体の喫煙率は21.8%で、5年間で5.9%下降している。
厚労省は喫煙率低下について「タバコが健康に悪いという認識が定着しつつある。成人識別カード"タスポ"導入の影響もある」としている。
11月8日のテレビで「タバコが600円に、翌年から100円づつ段階的に800円まで値上がりするかもしれない」と報道していた。テレビ解説者は「たばこ値上げは健康のためではなく、税収を上げるためで、財務省の陰謀だ」と否定的だった。
たばこ値上げについては、この2カ月間、禁煙運動に熱い医師たちが「タバコ値上げによって喫煙を減らし、健康になるように」と長妻昭厚労大臣に、何度も何度も粘り強く働きかけて実現したものだ。
あれは3年前、JTOBの方と"たばこと健康"について話をした。「JTもタバコが健康に悪いことはよくわかっている。たばこを値上げすれば喫煙者は減る。財務省を説得するのが一番の難関だろう」と言われた。
タバコ値上げで一時的に税収は増えるが、長期的には若い人がタバコを吸わなくなって税収が減るだろう。テレビのインタビューに藤井裕久財務大臣は「たばこの値上げは、健康のためです」と淡々と、正直に答えられていた。
保健指導の中でも、禁煙指導は個人の嗜好を主張され、最も難しい。米国たばこ疫学の権威、南カリフォルニア大学 JM Samet教授も「喫煙を減らす最も有効な方法は価格を上げることだ」と質問に答えられた。
秋も深まりウォーキングに、戸外スポーツにいい季節になった。都会で自然が残っているのは川沿いで、猪名川沿いや藻川沿いを時々散歩している。
11月7日は武庫川沿いを歩いた。河原では白い鳥が4羽、日向ぼっこをしていた。武庫川左岸の河川敷にコスモス園がある。江戸時代武庫川を超える渡しがあり、鬚(ひげ)をはやした老人が茶屋をしていたことから「鬚の渡し」と呼ばれている。あたり一面に、うす紅色、ピンク色、白色をした綺麗な秋桜(コスモス)が咲いていた。すぐ北にある兵庫県動物愛護センターでは、犬の運動会をやっていた。
11月8日、高槻城跡公園に行った。大人たちは野球をし、子供たちはボールを蹴って遊んでいた。24人が集まり、落葉樹の下、木漏れ日の中で太極拳をした。自然の中で緑の空気を吸うと、タバコを吸わなくてもストレス解消ができる。