藤原鎌足ゆかりの神社とメタボリックシンドローム
2009年11月15日、奈良県桜井市にある藤原鎌足ゆかりの地「談山(たんざん)神社」へ紅葉を観に行った。
午前10時20分出発、阪神高速、南阪奈道路を通り、12時30分に着いた。300台あるという5つの駐車場は満車になっていた。車の外は冷え冷えとしていた。"←飛鳥・石舞台方面"と書いてある方向から、中高年男女がリュックをしょって歩いてくる。小川のせせらぎも聞こえ、ハイキングコースによさそうだ。
"大化改新発祥の地" 談山神社の門前の木は、真紅の紅葉になっていた。少し登ると現存する世界唯一の木造十三重建造物"十三重塔"があった。摂津の国(現大阪府高槻市)にあった鎌足の遺骨を、唐より帰国した長男がこの地に運び、十三重塔と講堂を建立している。
本殿は朱塗り極彩色の豪華絢爛な建物で、檜皮葺(ひわたぶき)屋根が美しい。本堂に入ると右手に多武峰縁起絵巻があり、中大兄皇子(後の天智天皇)と藤原鎌足が描かれてあった。多武峰で皇子と鎌足が2人だけで、最高権力者の蘇我入鹿を倒す計画を密かに練っている所だ。談山神社の名は、多武峰山中で談合したことに由来している。
縁起絵巻の隣に「楠目清馬所用鎖網頭巾」が飾られてあった。楠目清馬(くすめせいま)は土佐藩士で、天誅組の一番組長として明治維新発祥に寄与している。鎖網頭巾は柔らかい金属で作られ、いつ敵に襲われてもいいように兜の代わりに用いたものだろう。吉野には至る所に天誅組の足跡が残されている。
東西透廊は本殿を囲む折れ曲がった廊下で、廊下から所どころ赤、オレンジ色、黄色に紅葉した山々を眺めることができた。
本殿から少し階段を降りると左手に、「鏡女王(かがみのおおきみ)恋神社」があった。縁結びのぼりの似顔絵を見て、「鎌足の奥さんは、今どきの顔をしてきれいね」と妻は言う。鏡女王は藤原鎌足の正妻で、万葉集に4首の歌を残している。
隣に大きな岩"むすびの岩座(いわくら)"があった。古来神の宿る岩として信仰され、岩を撫でると恋愛だけでなく、人間関係や事業など"むすびの願い事"も叶うという。
帰路、国道169号線の道端にある柿の木には、橙色の柿が鈴なりになっており、途中「卑弥呼の里桜井市にようこそ」の看板があった。先週から邪馬台国ではないかと騒がれている桜井市"纒向(まきむく)遺跡"の近くでは、中高年グループが大勢歩いていた。
休日は狭い所であくせずせず、自然の中に出て歴史を学びながら歩けば、ストレス解消にもなり、メタボリックシンドローム対策にもなる。