京都八瀬・鞍馬の紅葉と大海人皇子ゆかりの地
2009年11月29日、京都八瀬・鞍馬の紅葉を観に行った。
午前10時30分出発、名神高速を京都南インターで降り、出町柳で叡電1日乗車券1000円を買い八瀬に向かった。八瀬の地名は、古来"矢背"とも記されるように、672年"壬申の乱"で背中に矢傷を負われた大海人皇子(後の天武天皇)が、八瀬の釜風呂で傷を癒されことに由来する。
八瀬比叡山口駅を降りると、外は寒く冷え冷えとしていた。ピンク色の桜の花が咲いており、駅員さんに聞くと寒桜だった。橋を渡り、近くの店で"八瀬名物山かけとろろ京麩と京野菜入りおらがうどん"を食べ、体が暖まった。菜の花、わらび、賀茂なす、鹿ヶ谷かぼちゃ、やまいも、京にんじん、千生菜九条ねぎなどが入っていた。
高野川沿いを5分下り、新緑の春と紅葉の秋に特別公開している"瑠璃光院"に行った。豪華な造りの書院2階から、この寺の由来となっている"瑠璃の庭"を眺めた。気象条件が整うと、庭の苔が瑠璃色に輝くという。
住職は「今年の紅葉はもう一つで、例年なら瑠璃の庭全体が赤くなる。10月、11月の気候で紅葉のよしあしが決まる。あそこに見える大きな岩は一枚岩だ。この庭は人工的に創ったのではなく、自然の山を利用して創ったものだ」と言われた。
大きな額に「国立業産」犬養毅と書いてあった。犬養毅は日本を産業立国にしようとしていたのか。今の日本は技術立国、環境立国、観光立国、水資源立国、医療立国・・どんな国を目指しているのだろうか。
書院1階に、大海人皇子が癒された"八瀬の釜風呂"があった。お椀を逆さにしたような形の釜の中で、薪などを10数時間燃やし暖める蒸し風呂だという。
ケーブル八瀬駅前の紅葉は鮮やかな赤い色をしており、大勢の人がカメラや携帯で写真を撮っていた。ケーブル、ロープウェイを乗り継ぎ、比叡山山頂に行くと琵琶湖が見えた。戻りの乗り継ぎの時、3枚の素焼きの瓦にそれぞれ願い事を書き、瓦投げをした。
宝ヶ池で叡山本線から鞍馬線に乗り換えると、叡山電車は天井近くまで全面窓になっており、右側の座席は外側を向いていた。市原駅~二の瀬駅間の"もみじのトンネル"は、半分落葉していた。鞍馬駅前には大きな赤い天狗の面があり、看板には「牛若丸(源義経)は鞍馬山に棲みついた天狗に武道を教わった」と書いてあった。
午後5時出町柳を出発し、高速道路1000円で道路は渋滞し、帰りは3時間と行きの倍かかった。紅葉の季節の京都の街は電車、ケーブル、ロープウェイと立ちっぱなしで運動になり、メタボリックシンドローム対策になる。