ハノイの寒い冬と日本の赤字国債
2009年12月29日午後6時40分、JL755便20B席で、ベトナムのハノイに向かった。ほとんどが日本人客で、JAL客室乗務員が「コーヒー、お茶はいかがですか」と聞いてまわっていた。
午後10時20分、ハノイのノイバイ国際空港に到着した。正月を暖かいベトナムでと思っていたが12℃と寒く、黒いジャンバーを着た人が多かった。外は小雨が降っており、前日から急に寒くなったという。宿泊したメリア・ハノイ915号室は足元が冷たく、ホッカイロをこたつ代わりにして寝た。
12月30日午前、ホテルから2ブロック東、1ブロック北にあるチャンティエンプラザへ歩いて買い物に行った。道は自動車とバイクであふれ、クラクションが鳴り響き、横断歩道をヒヤヒヤしながら渡った。道行く人やバイクに乗った人に、著しい肥満は見当たらない。
デパートで即席麺、醬油など16品をかご一杯に買ったが、100000ドン(500円)でお釣りがきた。ホテルに帰る道端で現地の人が食べているフォー(米粉の麺)は1万~1万2000ドン(50~60円)だった。1973年頃は1ドン=1ドルでフォーが食べられたという。
現在は20000ドン=1ドルとなり、ベトナムはインフレでお札の価値が36年間で2万分の1になっている。
2週間前の忘年会で、日本の800兆円を超す赤字国債が話題になった。国の今年度税収は36.9兆円で新規国債発行額53.5兆円と、今年度の国の借金は収入を上回っている。
「今は、日本人が日本の国債を買っているからいいが、日本人が国債を買えなくなると、イタリアやギリシャのようになってしまう。今はデフレでお札に価値があるが、インフレが進めば、お札が紙切れになってしまうこともある」と誰かが言った。
「日本は所得税も消費税も同じように少ない。所得税アップと消費税アップと、どちらがいいのか」と聞いてみた。議員、官僚OB、新聞社、テレビ局、不動産社長、ゼネコンOB、メーカー社長ら10人とも、歳出削減とともに、何らかの税収アップが必要だと考えていた。
「消費税アップの方が、安定した財源になるのでいい」と言う。「贅沢品にかかる消費税をあげればいい」「昔あった物品税に戻せばいい」という意見に対し、「贅沢品とそうでないものの線引きが難しい。"おひとりさま"は1点豪華主義で、今の時代、何が贅沢品になるか決めるのは難しい」という人もいた。
医療、介護、年金など社会保障にはお金がかかる。私の周囲の人は民主党も、自民党も、公明党も、みんな何らかの間接税が必要だと思っているのに、政府もマスコミも間接税アップを言わないのは何故だろうか?誰が言わなくさせているのだろうか?