ハロン湾ツアーと二酸化炭素排泄量
2009年12月31日午前8時30分、メリア・ハノイホテルから世界遺産のハロン湾へ向かった。
3日連続、霧のような小雨がつづき、ハノイでは2月にならないと青空は見えないという。途中、日本企業の工場や、ロシアと日本の援助できたという石炭火力発電所があった。
知人のメーカー社長が「中国の工場で生産していたが人件費が上がり、ベトナムに工場を移した」と言われていた。製品の市場が15億7000万人ともいわれる中国ではなく、主な市場が日本ならベトナムに工場をおくのもよいだろう。
午前11時石炭の炭鉱の街を通った。道も家も街全体が黒ずんで、木は真っ黒になっており、バイクに乗った人の半分は、赤やピンクや青色のマスクをしている。炭鉱に通じる道路には、トラックが落とす石炭の粉が分厚く堆積していた。
ベトナムの年間二酸化炭素排泄量(炭素換算)は、世界銀行によると1980年の1400万トンから2005年には8000万トンと、25年間で5.7倍に急増している。世界では2007年290億トンで、1位中国60億トン、2位米国58億トン、3位ロシア、4位インド、5位日本12億トンとなっている。
ベトナムの排泄量増加の原因として経済成長、人口増加、自動車とバイクが考えられている。肥満増加も車社会が要因の一つだろう。
午後0時20分のハロン湾に着くころには雨は止んでいた。バイチャイ港には100漕近い船が浮かび、映画のレッドクリフに出てくる魏の曹操の船の軍団を想い出す。
ハロン湾クルーズ船BAITHO69のシーフードランチは蒸し海老、揚げ春巻き、青菜スープ、イカと玉ねぎのニンニク炒め、大きな魚を揚げ煮たもの、キャベツと人参のニンニク炒め、白いご飯、バナナだった。ニンニクの入った料理は美味しい。
甲板に出て、船の舳先にある木でできた龍の所に立ち景色を眺めた。石灰岩でできた島の切り立った岩に、木が所々生えている。「日本でもよく見る風景ね。帝釈峡みたい」と妻は言う。広島県庄原市にある帝釈峡神龍湖の遊覧船に乗った時に見た光景に似ている。部分的に見ると同じだが、2000の島々はスケールが大きい。
ハロン湾の中にある島に上陸し、1993年に発見され1998年から一般公開されるようになったというティエンクン鍾乳洞に入った。帝釈峡にある白雲洞を想像していたが、急な階段を昇って入口から入ると、はるかに大きな洞窟だった。
洞窟の天井から床までつづく巨大な鍾乳石の柱が林立し、鳥、龍、象に似た岩があった。洞窟の出口は高い所にあり、急な階段を降りて船のある所までたどり着く頃は、汗をかき、いい運動になった。