ベトナムの食・たばこと肥満・糖尿病

2010年1月 6日

    201011日元旦、ハノイは4日連続の小雨だった。ベトナムでは正月休みは1日のみで、旧正月のテトを盛大に祝うという。

 

午前1030分、ホテルから東に1ブロックの所にあるホアロー収容所に行った。陽のあたらない暗い小さな部屋に、ベトナム人捕虜の足が地中から出た半円形の鉄の足枷に固定されていた。ベトナム人捕虜の悲惨な写真もいくつか壁にかかっていた。

 

市内中心部のホアンキエム湖ではフラワーフェスティバルをやっており、大勢の人が写真を撮っていた。歩いて、大劇場(オペラハウス)まで行き、近くのレストランで食事をした。生春巻きはスモークサーモンが入るなど店によって具が異なる。

 

中心街の道路では所々、道端に立ってタバコを吸っている男性がいる。201011日から、公共の場での喫煙行為に対し罰金50000100000ドンとなったが、取り締まりはしていない。ベトナムのタバコは安く、誰でも買えるので高校生の半分は喫煙しているという。

ベトナム男性の喫煙率は200253%と日本人男性に比べ多いが、女性の喫煙率は3.4%と極端に少ない。4日間で女性が吸っている姿を1度も見なかった。ベトナムでは一般の女性はタバコを吸わないという。

 

午後415分、ハノイ大教会に行くと結婚式が行われていた。海外で教会の結婚式を見るのは初めてで、後ろから4列目左に着席し祝福した。

正面は先の尖ったアーチ型で、高い天井までステンドグラスがあり、中央の通路には白い花とロウソクが32本立っていた。両側の柱には絵画が飾ってあり、夏は冷房が効かないのか48個扇風機が取り付けてあった。

教会の鐘が鳴り、神父さんが問いかけるごとに新郎・新婦が誓いをたてる。何度かみんなで賛美歌を歌った。

 

午後630分、ホテルの斜め向かいにある鍋物のバイキング料理店に行った。ベトナムビーフ、豚肉、黒チキン、魚、イカ、野菜など35種類ある具を好きなだけ取り、ニンニク、乾燥アップルだしの鍋に入れて食べる。サラダ、生春巻き、焼き鳥や食後のタピオカココナッツミルク、果物もついて110ドルかからなかった。

 

ベトナム統計局によると、ベトナム男性の肥満は19923.2%から200213.2%へ、女性の肥満は8.1%から13.2%へ増加している。大都市の糖尿病は2003年の4.4%から、20087.2%に急速に増加している。

ベトナムの肉消費量は1985年に比べ20075倍に、卵・乳製品は2.4倍に増加しているが、野菜の消費量は変化していない。食生活の変化と、自動車・バイクによる運動量の低下が肥満・糖尿病を増加させているのだろう。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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