ベトナムの食・たばこと肥満・糖尿病
2010年1月1日元旦、ハノイは4日連続の小雨だった。ベトナムでは正月休みは1日のみで、旧正月のテトを盛大に祝うという。
午前10時30分、ホテルから東に1ブロックの所にあるホアロー収容所に行った。陽のあたらない暗い小さな部屋に、ベトナム人捕虜の足が地中から出た半円形の鉄の足枷に固定されていた。ベトナム人捕虜の悲惨な写真もいくつか壁にかかっていた。
市内中心部のホアンキエム湖ではフラワーフェスティバルをやっており、大勢の人が写真を撮っていた。歩いて、大劇場(オペラハウス)まで行き、近くのレストランで食事をした。生春巻きはスモークサーモンが入るなど店によって具が異なる。
中心街の道路では所々、道端に立ってタバコを吸っている男性がいる。2010年1月1日から、公共の場での喫煙行為に対し罰金50000~100000ドンとなったが、取り締まりはしていない。ベトナムのタバコは安く、誰でも買えるので高校生の半分は喫煙しているという。
ベトナム男性の喫煙率は2002年53%と日本人男性に比べ多いが、女性の喫煙率は3.4%と極端に少ない。4日間で女性が吸っている姿を1度も見なかった。ベトナムでは一般の女性はタバコを吸わないという。
午後4時15分、ハノイ大教会に行くと結婚式が行われていた。海外で教会の結婚式を見るのは初めてで、後ろから4列目左に着席し祝福した。
正面は先の尖ったアーチ型で、高い天井までステンドグラスがあり、中央の通路には白い花とロウソクが32本立っていた。両側の柱には絵画が飾ってあり、夏は冷房が効かないのか48個扇風機が取り付けてあった。
教会の鐘が鳴り、神父さんが問いかけるごとに新郎・新婦が誓いをたてる。何度かみんなで賛美歌を歌った。
午後6時30分、ホテルの斜め向かいにある鍋物のバイキング料理店に行った。ベトナムビーフ、豚肉、黒チキン、魚、イカ、野菜など35種類ある具を好きなだけ取り、ニンニク、乾燥アップルだしの鍋に入れて食べる。サラダ、生春巻き、焼き鳥や食後のタピオカココナッツミルク、果物もついて1人10ドルかからなかった。
ベトナム統計局によると、ベトナム男性の肥満は1992年3.2%から2002年13.2%へ、女性の肥満は8.1%から13.2%へ増加している。大都市の糖尿病は2003年の4.4%から、2008年7.2%に急速に増加している。
ベトナムの肉消費量は1985年に比べ2007年5倍に、卵・乳製品は2.4倍に増加しているが、野菜の消費量は変化していない。食生活の変化と、自動車・バイクによる運動量の低下が肥満・糖尿病を増加させているのだろう。