尼崎街歩きとメタボリックシンドローム黎明期
4階レストラン街にある和食うおまんの「宮崎産おいも豚のしゃぶしゃぶ付きランチバイキング」を食べた。沸騰した湯に、ハリハリ水菜と水野菜を2分間入れ、おいも豚を5回湯の中をくぐらせる。うおまん名物秘伝の麺だれに、きざみ白葱をたっぷり入れて食べるシャブシャブは柔らかく絶品だった。
1階の食料品売り場に、芦屋洋菓子工房"シェフ・アサヤマ"が期間限定で出店していた。第10回日経グランプリを受賞した桃の形のメルモを売っていたので、2つ買って帰った。街歩きはメタボ対策になるとともに、新しい発見がある。
2月22日夕方、JR尼崎駅から2つ目の、JR猪名寺駅周辺を散策した。ミドリ電化や大型ショッピングセンターがある。
惣菜店の店主に、景気はどうか聞いてみた。JR尼崎に大型ショッピングセンターができて、土日の客が2割減ったという。1階にあるケーキ屋さんが閉店になっていた。新しくできたココエの阪神百貨店には、アンテノールなどの有名洋菓子店が入っていたので客を奪われたのだろうか。大型ショッピングセンターが次々できていく陰には、閉店していく店がある。
2月23日夕方、地下鉄御堂筋線江坂駅前の東急インで、日経新聞の記者に「メタボリックシンドローム黎明期」の取材を受けた。
記者は「30年前、夜な夜な研究室でCTの紙を切って脂肪面積を測定しているのを見て、『第2内科にはけったいな事をやっている奴がいる』と見ておられた方がいた」と言う。
私達は1980年代前半、全身の皮下脂肪や内臓脂肪、内臓、骨・筋肉の量を出すのに、コピーしたCT断面像の紙をハサミで切って、その重量を測定することによって行っていた。微量天秤を使って紙の重量を測定していたので、昼行うと微量天秤を使って試薬を測定する他の研究者の邪魔になる。
研究室の人達が微量天秤を使わなくなった、ひと気のない夜に測定していたので、無気味に見えたのだろう。
はたから見ると"面倒なしんどいことを夜遅くまでやっている"と思われたかもしれないが、世界で誰も見ていない脂肪組織を見ていると思うと、胸がドキドキワクワクしながら行っていた。他人から強制的にやらされることではなく、自らすすんでやっている事で、決して苦ではなく、私の研究人生の中で最も創造的で楽しい時期だった。