尼崎街歩きとメタボリックシンドローム黎明期

2010年2月28日

  2010221日の日曜日、兵庫県JR尼崎駅周辺の街歩きをした。以前に比べ、街は全く様変わりしていた。駅前に阪神百貨店と11スクリーンがあるシネマが入ったショッピングセンター「ココエ」ができ、ごった返していた。

4階レストラン街にある和食うおまんの「宮崎産おいも豚のしゃぶしゃぶ付きランチバイキング」を食べた。沸騰した湯に、ハリハリ水菜と水野菜を2分間入れ、おいも豚を5回湯の中をくぐらせる。うおまん名物秘伝の麺だれに、きざみ白葱をたっぷり入れて食べるシャブシャブは柔らかく絶品だった。

1階の食料品売り場に、芦屋洋菓子工房"シェフ・アサヤマ"が期間限定で出店していた。第10回日経グランプリを受賞した桃の形のメルモを売っていたので、2つ買って帰った。街歩きはメタボ対策になるとともに、新しい発見がある。

 

222日夕方、JR尼崎駅から2つ目の、JR猪名寺駅周辺を散策した。ミドリ電化や大型ショッピングセンターがある。

惣菜店の店主に、景気はどうか聞いてみた。JR尼崎に大型ショッピングセンターができて、土日の客が2割減ったという。1階にあるケーキ屋さんが閉店になっていた。新しくできたココエの阪神百貨店には、アンテノールなどの有名洋菓子店が入っていたので客を奪われたのだろうか。大型ショッピングセンターが次々できていく陰には、閉店していく店がある。

 

223日夕方、地下鉄御堂筋線江坂駅前の東急インで、日経新聞の記者に「メタボリックシンドローム黎明期」の取材を受けた。

記者は「30年前、夜な夜な研究室でCTの紙を切って脂肪面積を測定しているのを見て、『第2内科にはけったいな事をやっている奴がいる』と見ておられた方がいた」と言う。

私達は1980年代前半、全身の皮下脂肪や内臓脂肪、内臓、骨・筋肉の量を出すのに、コピーしたCT断面像の紙をハサミで切って、その重量を測定することによって行っていた。微量天秤を使って紙の重量を測定していたので、昼行うと微量天秤を使って試薬を測定する他の研究者の邪魔になる。

研究室の人達が微量天秤を使わなくなった、ひと気のない夜に測定していたので、無気味に見えたのだろう。

はたから見ると"面倒なしんどいことを夜遅くまでやっている"と思われたかもしれないが、世界で誰も見ていない脂肪組織を見ていると思うと、胸がドキドキワクワクしながら行っていた。他人から強制的にやらされることではなく、自らすすんでやっている事で、決して苦ではなく、私の研究人生の中で最も創造的で楽しい時期だった。

 

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

著作権について