大阪城梅林とメタボリックシンドローム
2010年3月5~7日、国立京都国際会議場で第74回日本循環器学会(北徹会長)が開催される。
北徹先生とは米国シカゴで開催された国際動脈硬化学会に御一緒したことがある。齋藤康千葉大学学長らとタクシーでニックス・フィッシュマーケットに行き、シーフードを食べながら世間話をした。
誰かが「この世での苦労は、来世のため」と言うと、北徹先生は「研究をし残した所は、来世でやる」と言われた。人は死んだら土に帰ると漠然と考えていた私は、北先生の来世も研究をするという考えを知り驚いた。
死後の世界感は輪廻転生、神の国に召される・・など仏教、キリスト教、イスラム教と宗教によっても異なる。日本人で来世を信じている人はNHKの調査で12%となっていた。死後の世界がどうなっているのか結論は出ておらず、医師は医学教育で死後のことを教えられていない。
健康な時に死を考える人は少なく、最後まで、自分が死ぬなどと思わない人も多い。現代は死を見せない時代になっている。テレビ、新聞、雑誌などメディアは死体を見せず、核家族化で死を知らない若い人も多い。
重い病気になった時、初めて死を怖がる人もいる。人は皆、生まれ、生きて、そして自然に意識がなくなって死んでいくものだ。宇宙が誕生して、ただの一つも永遠なものはない。
生は醜い時もあれば、美しい時もある。生は空しい時もあれば、充実した時もある。生まれ、成長し、老いていけばいい。
2月27日午後、大阪城梅林に花見に行った。大阪城ホールの前では、男女や男同士の若者が路上ライブをやっており、城ホールで行われる「ゆず」コンサートの立見席には300人の行列ができていた。
大阪城の裏門にあたる青屋門を入ると、70~80歳の高齢男性2人がギターで路上ライブをやっていた。大阪城梅林に入るとペルー人男性が南米ハーブ「アルバ」で路上ライブをしていた。
ピンク、白、紅の梅が満開で、ポカポカ陽気の中、梅林は老若男女でいっぱいだった。ピンクと白、両方の遺伝子を掛け合わせた「東錦(あずまにしき)」や「思いのまま」の梅の木があり、枝ごとに白だったり、ピンクだったり、枝によっては白とピンクが交互に咲いていた。梅ソフトクリームを食べたが、梅のガムと同じ味がした。
大阪城梅林から見上げると、緑青色の屋根をした大阪城天守閣がそびえ立っていた。権勢を極めた太閤秀吉は、61歳でこの世を去る時、露に帰ると思っていたのだろうか、それとも来世も再び天下人になろうと思っていたのだろうか。