リーダーシップとメタボリックシンドローム
2010年3月14日午前、高槻城跡公園で太極拳を15名で行った。雲一つない晴天で、肌寒く、耳を覆うニット帽と手袋をした。
小さな子供連れが多くブランコ、すべり台、三輪車などで遊んでいた。子供は元気がいい。城跡公園の池の周りには濃いピンク色の寒緋桜(かんひざくら)が咲き、真っ白い羽で黄色い嘴をしたアヒルがいた。もうすぐ春だ。
重見師範に松澤佑次大阪大学第2内科名誉教授といっしょに載った日経新聞と、出演したルビコンの決断ドラマ「メタボリックシンドローム」のDVDを渡した。
松澤先生は2005年日本内科学会会長をされた時リーダーシップを発揮し、日本内科学会、日本循環器学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会、日本肥満学会、日本高血圧学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会の8学会をまとめ上げ、メタボ診断基準を決められている。
友人たちとリーダーシップについて話をした。「マキャベリは、一流のリーダーは恐れられて愛される人、二流のリーダーは嫌われるが恐れられる人、三流のリーダーは愛されるが軽く見られる人としている。今の日本社会を見ると、その人が登場するとその場の空気がピリッとし、恐れられて愛されるリーダーが組織のトップに立っている事が多い」という。
市役所の友人は「恐れられるのと恐怖はまた別物だ。太極拳の達人は、柔らかく手を触れただけで相手は動けなくなる。一流のリーダーシップはこのようなものだと思う。やたらと声高になったり豪腕を見せたり、こんな人は三流だ。リーダーシップに関しては安岡正篤(まさひろ)の本がとても参考になり、おりに触れて愛読している」と言った。
安岡正篤がどんな人物か大きな書店で捜したがなく、ようやく4軒目の伊丹イオンシティで見つけた。6人の総理(吉田茂、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、大平正芳、中曽根康弘)の指南役をした陽明学者だった。
「リーダーは優れた才能の人物を適材適所に登用し、論功行賞をしっかり行い、自分の目指すところを明確にして団結させること。リーダーは組織を私利私欲で動かさず、自分の親しい人物だけ採用せず、優れた人物を退け追放しないこと。リーダーは良いことは実行し、決断は時機を逸せず、間違いは改めること」と書いてあった。
老子は理想のリーダー像として"素晴らしい業績をあげても、それを彼の働きとは認識されない、部下からも存在することさえ意識されない人"とし、2番目が部下から敬愛される人、3番目が部下から恐れられる人、最も劣るのは部下から馬鹿にされる人だとしている。