宇都宮街歩きと職場のメンタルヘルス
2010年3月20~22日、栃木県下野市(しもつけし)にある自治医科大学で、平成21年度第5回産業医学研修会が開催された。
3月20日、東北新幹線東京10時20分発の「やまびこ207号」8号車4番A席で小山に向かった。やまびこは2階建16両編成で、8号車と9号車は先頭車両がくっ付いた形になっており、ホームでは珍しがって写真を撮っている人もいた。
午後1時から「職場のメンタルヘルス」の研修があった。うつ病が2人、3人とつづけて出る職場は、上司に原因があることがある。不況など経済的な理由で人員が削減され、仕事量が増え、うつになることもある。職場のうつ病対策は、うつになった人だけを対象にすることが多いが、うつにさせる人、うつ病になりやすい環境への対策も必要だという。
一般医はうつ病になった人だけを診ればいいが、産業医はこれら3つのことを考慮して、元気で健康な職場を作らないといけない。学校でのいじめ問題も、いじめられる人だけでなく、いじめる人、いじめが起こりやすい環境への対策が必要なのだろう。
リッチモンドホテル宇都宮209号室に宿泊し、宇都宮街歩きをした。宇都宮は渡辺貞夫の出身地で古いジャズバーが多く、カクテル日本一になったバーテンダーもたくさんいる。東武ホテル横の路地を入り、ジャズバー「ベースキャンプ」に行った。4年前のフードプレートは焼きそばと玉子焼きだったが、スパゲティとウィンナーになっていた。ドリンクはワイルドターキーの水割りを頼んだ。バーボンの香りと味は米国時代を想い出させる。
午後8時からジャズライブが始まった。4年前は50~70歳の中高年男性5人が演奏したが、オーナーのベース意外のメンバーはドラムが若い男性、ピアノとボーカルが女性に代わっていた。ジャズの音とタバコの匂いは、同級生と学生時代に行ったニューヨークのジャズバーや、学会で大学研究室仲間と行ったシカゴ最古のジャズバーを想い出させる。
店を出るとすぐ近くにある「パイプのけむり武井」のドアを開けた。右手にある細長いカウンターは4年前といっしょだった。「ピュアハーモニー」とメニューを見ないで注文した。ブランデーとパッションフルーツのピュアハ―ミニーは、4年前鮮やかな緑色をしたカクテルだったが、くすんだ薄い緑色になっていた。以前使っていたブランデーが製造されなくなったという。
関東一になったという女性バーテンダーは、できたカクテルを柄の長いスプーンですくって手の甲にのせ味見をしていた。一流の料理人の動作に似ている。2杯目はウォッカベースに薔薇シロップを入れたヴィーナスを注文した。宇都宮の街は、ジャズとカクテルの面白い街だった。