岡山の食と肥満・2型糖尿病
2010年5月27~29日、第53回日本糖尿病学会が岡山市で開催された。
5月27日、琉球大学第二内科益崎裕章教授によるランチョンセミナー11「肥満に伴う糖尿病―沖縄危機の現場から考察する病態と治療の新展開」がラヴィール岡山であった。
益崎教授は「沖縄は男女とも日本一肥満が多く、長寿といわれた沖縄男性の平均寿命は2000年には26位に下がった。沖縄の脂肪摂取量は全国平均に比べ5%多く、糖尿病や動脈硬化症が増えた」と話された。
ランチョンは"4種類のごはんが楽しめる和風弁当"で、さわら西京焼き、吉備団子が入っていた。629kcal、たんぱく質22.2g、脂質8.3g、炭水化物116.9g、塩分4.6gだった。
夜、岡山料理店に行った。ままかりにぎり寿し、しゃこ、さわら味噌づけ、和牛ヒレアミ焼きなどを食べた。店主に地元の和牛か聞くと「岡山県新見市大佐町の大佐牛(おおさぎゅう)で、何年も前から契約して使っている」と答えられた。
岡山牛は大阪でも人気があり、同じ新見市哲多町の哲多牛の焼肉屋には行列ができている。新見市は岡山県の山間部にあり、私の故郷広島県庄原市と隣接しており、中国山地は水と空気と緑に恵まれ、美味しい黒毛和牛の産地となっている。
5月28日、滋賀医大内科前川聡教授によるランチョンセミナー20「2型糖尿病の治療戦略―滋賀県糖尿病実態調査の結果を踏まえて」がホテルグランヴィア岡山であった。
前川教授は「滋賀県の糖尿病1万人の調査では、2000年から2006年BMIが男性23.6から24.1に、女性24.1から24.3に増加している。6年間フォローした症例では、経口糖尿病薬投与など治療をしているにもかかわらず、HbA1cが男性7.04から7.13へ、女性7.11から7.25へ悪化した。糖尿病は進行性の病気だ」と話された。
ランチョンは"鶏のコンソメ焼・ローストポークの入った洋風弁当"で760kcal、たんぱく質32.7g、脂質22.5g、炭水化物105.0g、塩分4.5gだった。
5月29日、東京医科大学老年学科羽生春夫教授によるランチョンセミナー48「糖尿病合併症としてのアルツハイマー病」がターミナルスクエアであった。
羽生教授は「認知症は第7番目の糖尿病合併症だ。認知症は2010年208万人から、2025年385万人に増加する。糖尿病やメタボリックシンドロームでは脳内インスリン抵抗性から、アミロイド代謝の破綻をきたし、アルツハイマー病になる」と話された。
ランチョンは"岡山名物祭ずしの入った和風弁当"で、ままかり酢漬、えび酢漬、岡山県産も貝の入った祭ずしがあった。583kcal、たんぱく質24.6g、脂質9.9g、炭水化物96.1g、塩分5.6gだった。
岡山は瀬戸内海の海の幸と、中国山地の山の幸に恵まれている。