ストレス・唾液コルチゾールとメタボリックシンドローム

2010年8月 5日

    2010725日午後2時から、大阪市北区ホテルグランヴィア大阪で第6回高尿酸血症・メタボリックシンドロームリサーチフォーラムが開催された。 

一般演題で、京都医療センター糖尿病センターの橡谷真由らから「肥満・メタボリック症候群における唾液コルチゾール測定の有用性の検討―心血管病リスクの関連」の発表があった。肥満102名において唾液中コルチゾールは、動脈硬化の指標である心臓足首血管指数や炎症反応を表すCRPと有意に相関したという。

コルチゾールは副腎皮質ホルモンで、腹部肥満の提唱者スウェーデンの故ビヨーントルプ教授は"慢性のストレスは、視床下部-下垂体-副腎系を介して内臓脂肪を蓄積させ、心血管病を発症させる"という説を出している。

 

大阪歯科大学の伊藤秀高らは、論文「実験的口蓋床による床下粘膜への局所加圧の違いが唾液中コルチゾール濃度およびα‐アミラーゼ活性値に及ぼす影響」の中で、歯の噛み合わせがよくないと唾液中コルチゾールが増加する、と報告している。

唾液中コルチゾールは血中コルチゾールと強い相関がある。歯周病でメタボリックシンドロームが多いことが知られているが、歯周病では、うまく噛めないためストレスがかかり、血中コルチゾールが上昇することも、内臓脂肪が増加する一因かもしれない。

 

午後1時、早くJR大阪駅に着きすぎたので、駅南側にあるアクティ大阪29階展望フロアに、何年かぶりで行った。北側のフロアからは北摂の山なみと淀川が望め、眼下には、北に向かって傾斜するドーム大屋根が見えた。

屋根の高さは南で25m、北で50mとなっており、工事中でまん中が開き、屋根は左右にスライドさせながら作られていた。大屋根の下は、大阪駅南ゲートビルと北ゲートビルを結ぶ通路で、日本では珍しいホームが見える構造になっている。

 

北ゲートビルには三越伊勢丹(売り場面積5万m)、196店舗が入る専門店街ルクア、松竹・東宝・東映の3社協力によるシネマコンプレックスができる。北ヤードはABCゾーンに分けられ、高層建築4棟が建てられ、高級ホテルも入る。

29階展望フロアの南側に行くと、前に阪神百貨店5万mが見えた。左にある阪急百貨店は8.4万mに増築中だ。南ゲートビルにあるアクティ大阪は増築中で、中にある大丸は4万mから1.6倍の5.6万mになる。

大阪梅田の百貨店の総売り場面積は25.4万mとなり、東京新宿の百貨店の総売り場面積21万mを抜く日も近い。関西復権の夢をのせ、大阪駅開発プロジェクト工事が進んでいる。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
目でみる臨床栄養学 UPDATE
メタボリックシンドローム

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