独創・調和・若さの日本肥満学会
2010年9月3日、日本肥満学会雑誌「肥満研究」第16巻2号が送られてきた。
私が執筆した巻頭言「独創、調和、若さの日本肥満学会―誕生から隆盛への軌跡」がp87-88に掲載されている。「肥満研究」は日本肥満学会雑誌として、1995年に第1巻が発刊された。私は、齋藤康編集委員長のもとで、最初の4年間編集委員をやっていた。
後輩に「巻頭言を読んでどうだったか、書き過ぎている所はなかったか」聞くと、「わかりやすく書いてあってよかった。タイトルの若さの所は、発信力でもよかったのではないか」と言う。
若さにしたのは、発刊当時、編集委員の年齢が70~80歳となり、発行部数が医学雑誌の中で、最も少なくなったものがあった。編集委員が偉くなり過ぎると、誰も止めてくれと言えなくなる。そこで、肥満研究の編集委員は40歳代とし、4年間の期限がもうけられた。他の雑誌に比べ、若さを強調したかった。
発信力という言葉が巻頭言の中に何度か出てくるが、巻頭言の原稿を書く直前にA氏と話している時、発信力の大きさが日本肥満学会の特徴だと気付いた。A氏は大前研一と親しく、寺島実郎、青山繁晴、橋本五郎、岸井成格らと交友がある。
2010年5月、初対面のA氏と大阪市北区でフランス料理を食べながら、政治・経済・世界情勢からメタボリックシンドロームまで2時間30分、みっちり話をした。ここのフランス料理は大阪で3本の指に入ると言われていたが、シェフは東京の超一流ホテルのシェフとなって行った。
A氏は東京に会社があるが、大阪に住む方がいいと伊丹空港の近くに家を持ち、東京で会議がある時は、朝7時15分の飛行機に乗って東京に行っているという。
「何故、東京に住まないのか」聞いてみると、「日本は東京一極集中で、日本の情報の90%は東京から発信されている。東京に住んでいると、東京のことしかわからなくなってしまう。大阪にいると、福岡や札幌などの情報も入り、日本の地方のことも考えるようになる。東京は住居費も2倍と物価が高い」と言われる。
「大阪を発展させるには、どうしたらいいか」と聞くと、A氏は「東京が機能しなくなった時のため、伊丹空港跡地を、首都機能をバックアップする所にすればいい。
江戸時代の日本は、各藩の経済が独立していた。明治維新の廃藩置県により、他県と物の売り買いができるようになった。日本だけでは日本の経済は成り立たない。これからの日本は、明治維新の時のように経済の範囲を広げ、中国、東南アジアを日本の内需と考えていけばよい」と答えられた。