紅白歌合戦とメタボリックシンドローム
2010年12月31日午後7時30分から、NHK で「第61回紅白歌合戦」が放送される。
紅白歌合戦はその年を代表する歌手が、白組(男性)と紅組(女性)に分かれ対抗する歌番組で、日本の大晦日の伝統行事となっている。
紅白歌合戦は小学校1年生の時、昭和31年(1956年)以来、54年間途切れることなく見つづけている。紅白は世界各地で見ることができ、オーストラリアのシドニー、タイのチェンマイ、ベトナムのハノイでも見ることができた。
小学生の頃は8畳の間を2間つづきにし、1台のテレビを祖父母や父母などと大勢で見ていた。大晦日は年越し蕎麦を食べ、「もうすぐ9時になるよ」と急いで後片付けをして、みんなテレビの前に集まってきた。
2つの炬燵に入って、姉の同級生が持って来たお菓子や、みかんを食べながら見ていた。祖母は村田英雄、姉は人気グループ"ジャニーズ"の中谷良、親戚の人は島倉千代子、西田佐知子のファンだった。
1983年、肥満研究のため米国ロサンゼルス留学中、私の家のテレビではNHKが受信できす、紅白歌合戦連続視聴が途切れそうになったことがある。銀行員のIさんの家は有線放送を取っておられ、私達家族4人と、Iさんの家族3人の7人で紅白を見た。
Iさんは読書好きで、Iさんの家の中には山のように日本語の本が積み上げられていた。リトル東京にある紀伊國屋書店の本は、日本の価格の2.5倍になっており日本語の本はあまり買えなかった。日本語に飢えていた私は、Iさんの家に行った時、日本語の本をどっさり借りてきて読んでいた。
Iさんから武田泰淳の司馬遷、草柳大蔵の企業王国論、渡部昇一の歴史の読み方、川喜田二郎の日本文化探検、会田雄次の日本人の意識構造、堺屋太一の80年代の読み方、ヴォーゲルのジャパンアズナンバーワン、本田靖春のニューヨークの日本人、本多勝一のアメリカ合州国、尾崎茂雄のアメリカ人と日本人、落合信彦の日本が叩き潰ぶされる日、河合幹雄の技術大国アメリカの凋落、大林辰蔵のNASA方式による危機管理学、長谷川慶太郎の80年代経済の読み方など多数の本を借りて読んだが、中でも城山三郎の官僚たちの夏が一番印象に残っている。
昨日の12月28日、Iさんの奥さんから妻に何年かぶりに電話がかかってきた。私の娘が今年結婚したことを知り電話して来られたようで、妻は懐かしさからか楽しそうに1時間近く話をしていた。
大家族から核家族になり、多人数で紅白を見ることが少なくなった。紅白歌合戦は昭和30年代の頃のように、ワイワイガヤガヤ賑やかに大勢で見た方が面白い。