青い十字架とメタボリックシンドローム
本屋に行くと、読みたくなるような魅力的なタイトルの本や、綺麗な表紙の本が目に入り、ついついたくさん本を買ってしまう。
2011年1月15日、伊丹の本屋で坐禅の本と小倉百人一首の本を持ってレジに行くと、真っ白い表紙に"青い十字架"が描かれた単行本「KAGEROU」が、横9列7段に積み上げられていた。赤の十字でも、白の十字でもない所が面白い。
原作者は齋藤智裕(俳優水嶋ヒロのペンネーム)で、KAGEROU は第5回ポプラ社小説大賞を受賞し、発行部数100万部のベストセラーとなっている。買ってきて覆っているビニールをはがし、新刊のいい匂いを嗅ぎながら3時間で一気に読んだ。
先月、朝のテレビ番組で水嶋ヒロが「子供の頃スイスで暮らしていて、イエローと呼ばれ差別された。いつ死んでもいいと思ったことが何度もあった。自殺を考えている人が、この本を読んで生きる喜びを知り、1人でも生きることを選んでくれたらと願って書いた」と話していた。
スイス・ジュネーブ在住の人と話をした。「ジュネーブにはILO(国際労働機関)など国際機関が多くあり、肥満は米国人に多い。医療費は高く、予防接種だけで1万5000円以上する。診察料はコンサルトの時間の長さで決まり、5分毎に2000~3000円上がっていく」と言われた。日本では5分診察しても30分診察しても700円だ。
「人気歌手絢香と結婚した水嶋ヒロが小説"KAGEROU"を出版し、ベストセラーになっている。帰国子女の水嶋ヒロは、スイスで暮らしていた頃イエローと差別され、自殺しようと思ったと話しているが、スイスでは人種差別はひどいのか」と聞くと、「ジュネーブにはいろいろな国の人がおり、米国人やドイツ人などからは差別されない。ただ、一部の国の人は東洋人に対して差別意識を持っている」と答えられた。
ヨーロッパではロマ族を追放している国もあり、ロマ族が東洋人にまで拡大されると困ると思った。
1月16日午前10時、自宅近くを散歩した。雪の予報だったが、いい天気になった。裏の家の庭の木には、黄色い大きな夏ミカンが400個近くぶらさがっていた。高齢で亡くなられた夫婦の家が、さら地になり4分割して売られている。日本は少子高齢化で、労働力として大勢の移民を受け入れざるを得ない時期が来るかもしれない。
移民受け入れ先進国のヨーロッパでは、いろいろな問題が起こっている。日本人は差別される側の人種にもなり、差別する側の人種にもなるかもしれないのだ。移民と人種・民族問題はデリケートで根が深い。日本も移民問題に備えておく必要があると思った。