東京新宿の夜景と高血圧・受動喫煙
2011年1月28、29日、東京新宿にある京王プラザホテルで第39回日本総合健診医学会(福武勝幸会長)が開催された。
27日午後5時、新幹線のぞみ40号8号車7番D 席で、新大阪から東京に向かった。トンネルを抜けると、そこは浅井長政の娘、江(ごう)が暮らしていた琵琶の国だった。米原を過ぎる頃、一面真っ白い雪景色となった。京王プラザホテル2823号室に宿泊した。
28日午前、久代登志男日本大学総合健診センター教授による「健診で循環器疾患を予防できるか」の教育講演があった。
「循環器疾患を予防するには、タバコと血圧が最も重要だ。日本人は塩分を取り過ぎている。塩分の75%は加工食品から摂取している。英国では食塩に税金をかけ、食品業界に塩分を少なくした加工食品を作るよう働きかけ、循環器疾患を9%減少させた。日本も食塩に税金をかければ、200~300億円の医療費削減になる」と話された。
食品メーカーが一致して加工食品の塩分を減らせば、日本の高血圧を減少させることができるかもしれない。
午後8時過ぎホテルの45階にあるスカイバー「ポールスター」に行った。生クリームを使ったポールスターカクテルを注文した。カクテルの表面にはココアでPの字が描かれ、星の形をした蜜柑の皮がのっていた。甘いがさっぱりしていて上品な味がする。
大理石のカウンターの前は全面総ガラスで、真正面に東京都庁が見える。上層階は3分の1、中下層階は9割の部屋に灯りがともっていた。黒い服を着た職員が庁内を歩いたり、集まって何かをしたりしている。午後9時、都庁の灯りが一斉に消えたが、再び点灯した。遅くまで仕事をしているようだ。
受動喫煙によって日本では年間6800人が亡くなり、そのうち職場での受動喫煙によるものは3600人だ。米国では街全体でレストランなど全面禁煙すると、17%心筋梗塞が減少している。職場では空間分煙ではなく、全面禁煙にすべきだ。禁煙により、時間的浪費や経済的費用も少なくなる。
全国の県庁では、半数の24道府県庁が全面禁煙している。大阪府庁や任天堂、ワコールは敷地内全面禁煙になっているが、東京都庁はまだ喫煙室が25も残っている。自治体や企業の敷地内全面禁煙が実行できるかどうかは、その組織のトップの決断力による。
石原慎太郎都知事が本当に都庁職員、都民のことを思うのなら「東京都庁内にある25ある喫煙室を廃止し、敷地内全面禁煙にするとよい。タバコ中毒の職員は内服薬を用いて禁煙し、勤務中のストレスを解消するには座禅や歩行禅で心と呼吸を整えればよい」と私はアドバイスする。