近畿広島県人会・ふる里ふれあいまつり
午前11時30分、近畿広島県人会は東日本大震災で亡くなられた人達への黙祷で始まった。城納一昭広島県副知事、松井一實広島市長の挨拶があった。「来年のNHK大河ドラマ"平清盛"では広島県宮島や神戸、京都、被災した東北地方も舞台となる」と話された。
アトラクションは広島県安芸高田市の吉田神楽団30名による郷土芸能の神楽(かぐら)だった。戦国武将の毛利元就は安芸高田市吉田町で生涯を過ごしている。演目の"滝夜叉姫"は、平将門の娘の滝夜叉姫が父の無念を晴らそうと妖術使いになる物語だ。
安芸(広島県西部)と備後(広島県東部)の風俗・習慣で最も差があるのは神楽と田植えだろう。安芸の神楽は芸能的で動きがあるが、備後の神楽は神事的で地味だ。備後の庄原副市長は「もっと高齢の人が演じると思っていたが、20歳代ぐらいの若い人が多い」と言われる。金糸の刺繍の豪華な衣装をまとった出演者は、激しい踊りで汗びっしょりになっていた。
懇親会では、東日本大震災の復興費用をどうするかが話題になった。「海外は日本で暴動が起きなかったこと、日本人が我慢強いことを賞賛しているが、一方で、日本は何も決められない国だと見ている」
「何10兆円かかるのかわからない復興費用は誰が負担するのか?」「日本の一部が大きな被害を受けたのだから、日本全体で負担するしかないだろう」
「赤字国債にするのか?」「赤字国債にすると誰の腹も痛まないが、後世の人達の負担になる。海外の人も自分の腹を痛めようとしない日本人に落胆するだろう。日本の経済も危うくなる」
「消費税を上げることには政治家やマスコミの一部が反対している」「いろいろな方法があるが、どんな方法にしても完全なものはない。10%ぐらい一律に国民負担すればよいのではないか。それは国民が決めたらよい」
「日本人は政治家やマスコミに頼って、自分から意見をなかなか発信しようとしない。ロータリークラブ、PTA、労働組合など、それぞれの組織で声明を出せばよい」「オピニオンリーダーが各地で声を出せば、マスコミも同調し、政治家や国も動くだろう」などの意見があった。
広島県人は郷土意識が強く、団結力があると感じた。米国のハワイやロサンゼルスにも、多くの広島県人が移住している。午後3時、全員が一つの輪となって手をつなぎ、"ふるさと"を歌って今年の近畿広島県人会は終了した。