映画「もしドラ」と脱テレビ時代
客席は女子高生が4割、男子高生が3割と高校生が多い。原作は岩崎夏海(なつみ)のベストセラーで、岩崎氏は東京芸大卒業後、作詞家の秋元康に師事、AKB48のプロデュースにも携わっている。
野球部の定義は?感動すること。肥満学会の定義は?病気をなくすこと。野球部の顧客は?高校野球に関係する全ての人。肥満学会の顧客は?肥満研究者、・・・。内容は高校生向きだが、いろいろ考えながら観ると勉強になる。
午後9時帰宅すると、市役所の友人から「テレビやめます」のタイトルでメールが入っていた。
「地デジになったら、我が家はテレビをやめます。受像機は、もっぱらビデオ専用機として、殿堂入りします。およそ面白くない番組、害悪を流し続けるかのようなワイドショー。 デジタル化はこれらとの訣別のよい機会です。一方、ラジオはいいです。推奨は、NHK FM のクラシックカフェ。NHK第一ではぼやき川柳」とあった。
最近、テレビを見ない友人が増えている。私も大学時代と研修医時代は、テレビは時間の無駄だと思って、テレビを買わなかった。
大学時代はテレビの代わりに、年間50回映画を観ていた。中でも記憶に残っているのは、同級生の福並正剛君と行った映画「卒業」だ。当時は入れ替え制ではなく、何回でも同じ映画を観ることができた。耳で聴いた英語のセリフをノートに書きながら、映画を3回連続で観て、全てのセリフを完成させることができた。
卒業のラストシーン、ダスティン・ホフマンが花嫁を奪って逃げるシーンは、南カリフォルニア大学(USC)のキャンパスで撮影されている。主題歌のサウンド・オブ・サイレンスを口ずさみながら、妻と子供たちを卒業ロケ地に案内した。憧れのUSC、糖尿病・臨床栄養科ブレイ教授のもとで、肥満・メタボリックシンドロームの研究に没頭することができた。
父は若い頃映画好きで、カサブランカの主演男優ハンフリー・ボガートと同じ帽子をかぶっていた。80歳で亡くなるまで、生涯同じ型の帽子をかぶり続けた。若い頃の父母の写真を見ると、母はカサブランカの主演女優イングリッド・バーグマンと同じ髪型をしていた。
テレビのニュースはタブーが多すぎて、必ずしも真実がわからない。新聞を読んだりテレビを見るより、友人や知人の新聞記者やテレビ局関係者の人に聞く方が、フィルターのかかっていない生の情報が得られる。私たちは既に、脱テレビ時代の道を歩み始めているのかもしれない。