なでしこジャパンと日本の未来
中国縦貫道美作インターを降りるとすぐに湯郷温泉街があった。湯郷ベルのMF宮間あや選手とGK福元美穂選手が、7月24日凱旋パレードをしたからくり時計から観光案内所までは石畳となっていた。パレードに使われた黒に赤いソファの人力車が、現代玩具博物館・オルゴール夢館の前に飾られていた。
午後1時、小高い丘の上にある湯郷ベルの競技場"岡山県美作ラグビー・サッカー場"に着いた。「祝2011FIFA優勝:女子ワールドカップドイツ大会:夢と希望をありがとう」と書いた垂れ幕がある。きれいに手入れされた緑の芝生のグラウンドには女子選手の姿はなく、34.5℃の炎天下、高知・福岡・名古屋・神戸の高校生たちがサッカーの試合をやっていた。サッカー選手に肥満は見当たらなかった。
観光案内所で焼肉店を聞くと、昼に営業しているのは「焼肉大和」1軒だけだった。焼肉大和で「湯郷ベルの選手は来ることがありますか?」と店の人に聞くと、「宮間選手など湯郷ベルの選手はよく来られますよ」と答えられ、私の勘は当たっていた。上タン、オウカク(ハラミ)、バラ(カルビ)を食べた。月曜日が女子会の日で"おまかせデザートプレゼント"、木曜日は男子会の日で"焼肉10%増量"となっていた。
8月5日金曜夜、大阪市中央区で "男子会"を中高年9人でした。文科省OBは「日欧米の経済危機、弁護士や医師のTPPなどミクロ的な問題から、少し引いて人類の将来というマクロ的な目で見ると、世界のエネルギー資源・食糧資源から考えないと何も解決しない。40年後には石油がなくなる。日本の食糧も石油によって支えられている。このまま人口が増えつづけると、宇宙戦艦大和のように地球外に資源を求めるしかなくなる」と言う。
「日本人は信じ込んでしまう性質がある。戦艦大和は沈まない、原発は安全だと信じ込んでいた」「歴史的にみると、戦争や疫病が人口増加を抑制してきた」「大航海時代以後の世界は、資源の争奪戦となっている」など話がはずんだ。
公認会計士は「なでしこジャパンが、世界のみならず日本の予想をも超えて、W杯で優勝した。スポーツの力は、ときとして国のトップの名演説よりも、国民の意識統一に大きな影響を与える」と言う。
大和なでしこは、女性長寿世界一の座を1985年以来キープしている。8月22日~27日、美作サッカー場で国民栄誉賞に輝いた"なでしこジャパン"全員が合宿するという。湯郷ベルの活躍は湯郷温泉に希望を与え、なでしこジャパンの優勝は閉塞感漂う日本人に大きな力を与えている。