港神戸の食と国際肥満学会
午後0時20分、自宅のドアを開けると、顔と頸から汗がどっと噴き出してきた。35度と真夏の暑さのなか神戸に行き、桃花林の窓際の席で食事をした。窓の下には神戸の港が拡がり、海上保安庁の船が停泊している。波止場の向こうには、楕円形をしたポートピアホテルが見える。
"兵庫県地産地消フェアプレミアムランチ"を食べた。主菜は豚肉と淡路産玉葱の細切り炒めだった。今年の第32回日本肥満学会は、兵庫県淡路夢舞台で9月23、24日に開催される。
桃花林に来ると、21年前のことを想い出す。
1990年10月21~26日、神戸国際会議場で開催された第6回国際肥満学会には1100名(外国人600名、日本人500名)が参加した。当時は、コンベンションサービスが充実しておらず、肥満学会も貧しかった。私たち医師が自分たちで学会運営をやらなくてはいけなかった。6日間、ポートピアホテルに自費で泊まり込んだ。
10月25日、ホテルオークラ神戸の宴会場でバンケット(晩餐会)があり、丸いテーブルに世界各国の肥満研究者が座り、桃花林の中華料理を食べた。ブレイ夫妻と記念撮影をした。
欧米の学者は、夫人同伴で学会に来られることが多い。学会中、夫人は一人で行動しなくてはならなくなる。夫人部隊が急遽結成され、私の妻はブレイ夫人担当となり、ショッピングなどに付き添った。ブレイ夫人はブレイ教授とハーバード大学の同級生で、大手食品メーカーの副社長をされ、日本の"だるま"を収集されていた。
10月24日、相楽園での神戸市長招宴のあと、ブレイ教授夫妻、スタンカード教授(第8段:国際肥満学会最高賞)と私たち夫婦の5人で、三宮にあるカラオケ"もえ木"に行った。
途中から松澤佑次先生が1人で合流されるはずだったが、バーバラハンセン米国肥満学会会長、エンゲル・カナダ肥満学会会長、ジャンルノー・スイス肥満学会会長、アイヨー・フランス肥満学会会長、ジメット・オーストラリア肥満学会会長らもいっしょについて来られた。
10数人しか入れない小さなカラオケスナックは、世界のVIPでぎゅうぎゅう詰めになったが、悲しき街角、夢のカリフォルニア、ヘイポーラなど、みんな楽しそうに歌われ、ケセラセラは大合唱となった。あの頃のことを思い出すと、私の肥満への探究心や研究心の魂が揺すぶられる。