2012米中台湾関係と世界の未来
10月15日午前、USC同窓会香港で、ウォール・ストリート・ジャーナルのコラムニスト、USC教授らによるシンポジウム「2012米中台湾関係と世界の未来」があった。
2012年には米国大統領選、中国国家主席交代、台湾総統選挙が行なわれる。選挙の詳しい分析がなされていた。
米国民に対する「最も関心を持っている国はどこか?」という2011年の調査結果が示された。1位中国、2位韓国、3位イラン、4位イスラエル、5位イラク、6位インドとなっている。中近東が3カ国入っているが、日本やEUは入っていない。
「現在、どの国が世界の経済を引っ張っているか?」という米国民に対する質問では、中国が52%で1位、2位は米国で32%、3位は日本で7%、4位EU3%、5位ロシア2%、6位インド1%となっていた。
世界主要国の今後のGDP推移予測のスライドがあった。GDPは現在、アメリカ、中国、日本の順だが、2050年には1位中国、2位インド、3位アメリカになると予測されている。
カナダ、日本、中国の1万1000人を対象としたナショナリズムに関する調査では、中国人が最もナショナリズムが強く、日本人はカナダ人よりナショナリズムが弱くなっていた。
中国は第1列島線、第2列島線により国を守ろうとしているという。中国の軍事力増強に対し、アメリカ国民の12%が賛成し、78%が反対している。中国には中国の言い分があり、アメリカにはアメリカの言い分があるが、両大国に挟まれた日本は日本の言い分をどう発するのだろうか。
普天間問題がこじれたのは、日本の総理が1人のアドバイザーの意見しか聞かなかったことが要因の1つだ。アドバイザーは1980年代に渡米し、ジャパン・アズ・ナンバー1の頃の意識をいまだに引きずっているという。
昼食時間、JWマリオットホテルで中華バイキング料理を食べながら、日本人の同窓会出席者が100人から10人に激減したのは何故なのか話をした。建設会社の友人は「日本は不況で、大企業か不況に強い業種の人しか来ることができなくなった。IT業界も5年前ぐらいまではよかったが、2~3年前からUSC留学仲間が解雇されている」と言う。
重工業会社の友人は「日本ではUCLAの方が有名だが、アジアではUSCの方が有名だ。USCのアジア支部は15カ所(東京、名古屋、大阪、広島、ソウル、北京、上海、香港、台北、高雄、マニラ、バンコク、シンガポール、ジャカルタ、ムンバイ)あるが、日本支部は数人、中国支部は数十人とUSC同窓会出席者数に大きな差がついてきた」と言う。
日本人は国内にとどまるのではなく、もっと海外の人達とも積極的に交流して、情報収集・発信する必要があると思った。