フラット化する世界と肥満の未来
2011年10月14日午前、マリオットホテル香港で開催されたUSC同窓会で、ニューヨークタイムズのトーマス・フリードマンによる講演「グローバル化社会の未来」があった。
フリードマンは1983年、1988年、2001年とピュリッツァー賞(ジャーナリストに与えられる米国で最も権威のある賞)を3度受賞し、「ベイルートからエルサレムへーNYタイムズ記者の中東報告(朝日新聞社、1993年)」など5つの著書がベストセラーとなっている。
「フラット化する世界ー経済の大転換と人間の未来(日本経済新聞社、2006年)」は、全米で300万部の大ベストセラーになっている。新しい通信テクノロジーによって、世界中のあらゆる人と結びつくことが可能になった。ブログやGoogleはインターネットに接続する個人・企業・国家にグローバルな競争力を与え、世界の経済は一体化し、同等な条件で競争する時代が来るという。
フリードマンは講演で「今の社会はインターネットやフェイスブックで情報がすぐに伝わる。チュニジア、エジプト、ロンドンと新しい通信手段によって暴動が拡がっていった。世界の動くスピードが速くなっている。ムンバイ、ハイデラバードで発信された情報は中国、ブラジルへと全世界に直ちに伝わっていく」と話された。
政治については「アメリカはボトムアップだが、中国はトップダウンだ。どちらか1つではなく、両方が混じった方がよい。アメリカは教育とインフラで大国となったが、それが忘れられている。アメリカは基本に戻って、立て直さないといけない」と話された。
講演後、フロアから中国新幹線事故に関する質問があった。フリードマンは「いい質問ですねぇ(Good question)」と池上彰のように答えられた。
午後6時50分、香港島の夜景を観るため、コンラッドホテルの部屋を出発した。ホテルの3階は高級ショッピング街のパシフィック・プレイスとつながっており、シャネル・ディオール・ランバンなど70軒のブランドショップがあった。
高層ビルのネオンを下から見上げるが、全貌がわからない。九龍から眺める夜景の方がきれいだ。ビルの本屋に入ると正面すぐの所に、先日亡くなったアップル社の創業者スティーブ・ジョブズの表紙の雑誌が2種類並び、その隣には綾瀬はるか、吉高由里子、北川景子、松田翔太の表紙の雑誌が並んでいる。香港では日本の雑誌が流行っているのか。
近くの中華料理店で青島ビールを飲みながら猪肺スープ、鮑汁茄子和牛炒め、蟹粉炒飯を食べた。脂っこい料理が多い。香港でもお腹が出た肥満が増えているという。フラット化する世界と同じように、肥満も世界均一に急速に広まっている。