東京品川の食・街歩きと医療国際化

2012年1月23日

    201212021日、東京国際フォーラムで「第40回日本総合健診医学会」が開催され、1000名が出席した。

 

20日午後3時からシンポジウム「国際社会における健診」で、日本政策投資銀行の植村佳代氏の講演「進む医療国際化ー医療ツーリズムの動向」があった。

医療を受ける目的で他の国へ渡航する医療ツーリズムは、現在150カ国で行なわれ、2008年で年600万人、1000億ドルの市場となっている。最近は、先進国から新興国への医療ツーリズムが増え、アジアへは300万人が訪れている。

「タイやベトナムのVIP病院のフロア・病室は、高級ホテルよりきれいだ。日本では国民全体が同じ医療を受けることができるが、病室など設備の面で劣っている。JCI(国際病院評価機関)が認定した病院は201146カ国394あり、韓国は5から22に急速に増えている」と話された。

フロアから「病院勤務医は奉仕の精神で時間を無視して働き、安い医療費で国民皆保険制度を支えてきた。日本は3時間待ちの状態で、医療ツーリズムを行う余裕はない」と反対意見があった。一方、「JCI認定を受けて、世界の厳しい目で日本の医療を評価してもらうことは、今後の医療改善になる」という意見もあった。

 

グランドプリンスホテル新高輪2851号室に宿泊した。ホテル周辺は緑が多い。歩いて品川駅に行くと、節電のためか駅構内は薄暗かった。

午後8時、アトレ品川にある "グランド・セントラル・オイスターバー"に行った。ニューヨークに本店があり、品川は日本1号店で、赤で統一された店内は満席になっていた。受け付けはインド系、ウェイターはアフリカ系と国際化が進んでいる。7種類の生ガキを食べたが、それぞれ味が違う。クマモト(米国ワシントン州)と厚岸(北海道)が旨かった。

 

午後1030分、新高輪プリンスホテル内の"メインバーあさま"に行き、ココナッツのトロピカルカクテルを飲んだ。天井が高くて広い。壁の後ろはFNS歌謡祭や著名人結婚式がよく行なわれる"飛天の間"だ。

昨年7月、新聞記者の人達と話をした時「いろいろな業界で国際化が進んでいるが、医療界と法曹界の国際化が最も遅れている」と言われた。昨年6月、外国人患者受け入れを進める"新成長戦略"が閣議決定されている。経産省の調査では、2352病院のうち1割が関心を持ち、そのうち半数が実際に受け入れている。

 

日本の医療は国際化しないと取り残される可能性がある。しかし、医師不足の現状で海外の患者を多く受け入れることは、勤務医に大きな負担を課すことになる。医療国際化を進めるためには経済面のみで考えるのではなく、勤務医不足の解消も同時に行う必要がある。

徳永勝人 医師
(とくなが かつと)
医学博士


1968年
広島県立庄原格致高校卒業
1974年
大阪大学医学部卒業

内臓脂肪型肥満、
標準体重=身長X身長X22
を提唱する肥満の
第一人者として活動中。

1983年-1985年
南カリファルニア大学
研究員
大阪大学第2内科講師
市立伊丹病院内科部長
大阪大学臨床助教授
兵庫医大実習教授
を経て
高槻社会保険健康管理センター
センター長として勤務

日本肥満学会肥満症診断
基準検討委員会委員
日本糖尿病学会評議員
日本動脈硬化学会評議員

NHK「きょうの健康」での
講師を務める。
著書に
  「肥満Q&A
  「食事で防ぐ肥満症」
 
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