奈良大神神社の食とメンタルヘルス
2012年2月5日、奈良県桜井市にある日本最古の神社「大神神社」に行った。
午前11時40分自宅を出発、阪神高速・西名阪道を通り午後1時20分、黒い色をした大鳥居に着いた。大神(おおみわ)神社は、2月5~7日の初えびすで賑わっていた。大神神社のご神体は高さ467mの三輪山で、全山が杉・松・檜に覆われており、パワースポットとしても知られている。
JR三輪駅近くの線路を横切り、二の鳥居から木立に囲まれた参道に入った。左手に"夫婦岩"と呼ばれる苔むした岩が二つ、仲良く寄り添っている。拝殿の前には日本最古の道で、天理から桜井へのハイキングコースとなっている"山の辺の道"が通っていた。手が冷たさで痛く感じる。耳を澄ますとザクザクと小石の上を歩く参拝者の足音が聞こえてきた。
拝殿の右前に"巳の神杉(みのかみすぎ)"があり、白や茶色の卵がたくさん供えてあった。不思議に思って地元の人に聞くと、「白い蛇が棲む神木で、蛇の好物の生卵と酒が供えられている」とのことだった。祈祷殿の前に耳の長い"なでうさぎ"があり、頭の部分と肘・膝の部分がピカピカに光っていた。関節痛にならないよう肘と膝を手でなでた。
祈祷殿の先に"くすり道"があり、両側には薬木・薬草が植えられ、第一製薬、山之内製薬、田辺製薬、中外製薬、藤沢薬品、大日本製薬、住友製薬などから奉納された灯篭(とうろう)が並んでいた。
森のいい空気を吸いながら、さらに進むと病気平癒の神様として信仰が篤い"狭井(さい)神社"があった。屋根の分厚い緑の苔と、背後の深い緑の森とがマッチして神秘的だ。目を閉じると、キッキッという小鳥のさえずりが聞こえてきた。狭井神社の横には薬造りや酒造りに使われたという"薬井戸"があり、万病に効くという神水を味わって飲んだ。
帰路、素麺街道にある"池利の三輪そうめん茶屋千寿亭"で、奈良のうまいもの郷土料理:千寿亭昼膳(にゅうめん、地鶏すき焼き、柿の葉寿司)を食べた。1850年創業池利のそうめんは細くコシがあり、地鶏すき焼きはあっさりして美味しく、柿の葉をかぐと日本の風土を感じた。
先月、東京での第40回日本総合健診医学会で、「毎日、長時間画面を見て仕事をしている人は、メンタル障害になりやすい」という発表があった。視覚だけの二次元の世界に長時間いると、メンタルヘルス(心の健康)障害を来すのかもしれない。
メンタルヘルス対策の一つとして、休日に森や緑の多い神社仏閣に行って深呼吸をし、三次元の視覚・聴覚・嗅覚・味覚・皮膚感覚(触覚・痛覚・温度覚)の五感を研ぎすませることを推奨したい。