呉大和ミュージアムと食文化
2012年4月29日、広島県呉市にある「大和ミュージアム」に、母の希望で行った。90歳になったばかりの母は、「同級生99人のうち、現役で歯科医をしているのは私1人になった」と言う。
午後0時10分、呉大和ミュージアム周辺の駐車場は満車で、近くのショッピングセンターに車を止め、海上自衛隊呉資料館「てつのくじら館」に行った。3階から本物の潜水艦"あきしお"の内部に入った。
あきしおは全長76.2m、乗員75名で、シャワー室・トイレ・調理場など小じんまりとしている。3段ベッドも幅が狭く、窮屈そうだ。狭い空間で長期間過ごすのは、大変だと思った。
道路の反対側にある大和ミュージアムを見学した。1階中央の大和ひろばには、全長26.3mもある戦艦大和の10分の1サイズ模型があった。大型資料展示室には、零式艦上戦闘機62型、人間魚雷"回天"、砲弾などの実物が置いてあり、戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えていた。
本土と倉橋島を結ぶ音戸大橋に行った。紅・ピンク・白のつつじが綺麗だ。赤いアーチの橋、島側の三重ループは、50年前といっしょだ。写真は家族4人で行った時のもので、私の右が母、左が姉だ。
音戸大橋を渡ると、「平清盛音戸の瀬戸ドラマ館」があった。NHK大河ドラマ平清盛で使用されている海賊船が、まるごと展示してある。
呉市街に戻り、本通りから坂道を上がり、国立病院機構呉医療センター(元海軍病院)に行った。呉病院には阪大第2内科の先輩や後輩が大勢行っている。
呉病院にいた後輩に聞くと「呉は"肉じゃが"の発祥地だ。舞鶴という説もあるが、肉じゃが生みの親の東郷平八郎(海軍大将)は、舞鶴より10年前に呉に赴任している。呉で一番美味しいのはオコゼで、今は鯛が旬だ」と言う。
れんが通りから蔵本通りに行くと、"呉みなと祭り"をしていた。3000人がパレードに参加し、33万人の人出になっていた。呉の郷土料理"細うどん"は、老舗"山乃家本店"の創業者が、造船所の職工が素早く食べられるように、短時間でゆでることができる生麺を作ったのが始まりだという。
呉の食文化の肉じゃが・海の幸・細うどんは、東郷平八郎・瀬戸内海・造船所が基となっている。地域固有の食文化は、その地域の名士・地理条件・産業と強く結ばれている。